赤岳天狗尾根


赤岳(2,899.2m)天狗尾根 ツルネ東稜  (山梨県 長野県 南八ヶ岳)

2016年11日~12日 天候 概ね晴れ、無風

 CL装備記録ぐっさん  SL会計もっちゃん 食料ひーちゃん

バリエーションルートの新規開拓と、女子源次郎パーティーのトレーニングを兼ね天狗尾根へ行ってきた。

同志会でも初めてのコースでもあるので、様々な記録を調べたが、すんなり抜けているパーティーと、ルート間違い等でものすごく時間がかかってるパーティーとかいろいろあり、少し不安な気持ちで当日を向えた。

6/11 土> 美し森P~出合小屋~天狗尾根~キレット小屋で幕営

朝3:00に春日井IC集合、中央高速長坂ICで降り、6:00に美し森P着。共同装備等振り分け6:30出発。

長い林道を進み途中から地獄谷へ降り渡渉を繰り返しながら沢を登る。9:00に出合小屋へ着きゆっくり休憩する。出合小屋は地元の山岳会が管理してる小屋で小さいがとてもきれいであった。

5分ほど進むと予定通り権現沢、本谷、赤岳沢の出合に着く。地形図をよく見つつ赤岳沢を遡行し、天狗尾根取付前で冷たい水を汲む。幕営予定のキレット小屋も水が涸れている可能性があり、ここが本日最終の水場となるため、飲めるだけ水を飲み、多めに水を汲む。赤テープがある薄いふみ跡を藪漕ぎしながら10分ほど登り2000mの尾根に乗る。尾根に乗ってからも藪と、岩稜を交互に踏破する。ガスっているがたまに稜線がはっきり見え元気が沸く。12:00ようやく2500mのカニの鋏に到着。事前調査ではとても大きいものだと思っていたが目の前にすると30mほどか小さく感じた。

ガスも晴れ稜線が見渡せる。クライミング装備を付け私と、ひさみさんはカニの鋏の中央突破をし、もっちゃんは左から巻く。下から見ると簡単そうであるが、いざ取り付いてみると脆く垂直な草付きと、信用できない岩を登らなくてはならず、慎重に行く。テント泊装備を背負っているので簡単なクライミングでも難しく感じる。続いて古いザイルが張ってある第一岩峰を右にトラバースした後、急な草付きを登る。難しくは無いが落ちたら数百メートル滑落というような地形であり慎重に進む。

草付を登った跡、大きな岩に出て、右に巻くのか、直登か、左に巻くのかよくわからず、右の巻き道のふみ跡が濃いような気がしたので右へ進んだのが大きな間違いであった。後戻りできないような急峻な不安定な草付きのトラバースを行き、岩で行き止まりになってしまい、今度は急なものすごい藪を30mほどよじ登る。何とかルートに復帰した場所は第2岩峰手前で、大天狗、小天狗が見渡せる。激藪でかなり体力を消耗してしまった為、しばらく休憩する。幕営予定のキレット小屋もすぐ近くに見える。先ほどのとこは直登が正解であったようだ。

第2岩峰は出だしに軽いクライミングがあるだけで安定した岩場を進む。いよいよ核心の大天狗である。ここも直登、巻き道とあったが、我々は直登を選ぶ。クライミングが一番うまいひさみさんがリードで進むが少しハングしている箇所が進めず、少し戻り左側から再チャレンジし核心を突破する。続いて、もっちゃん、私が突破する。下が数百メートルは切れ落ちており思った以上に難しかったが、巻かずに直登をしとても楽しかった。

大天狗の頭の下りは20mほどの懸垂下降で降り、残すは小天狗のみとなる。

小天狗は左から巻き後は這松の上を進み天狗尾根を頭に到着!

赤岳へは行かずガレガレのキレットを下りキレット小屋へ進む。天狗尾根のぎざぎざ稜線が見渡せ、本日の行動を振り返る。

キレット小屋はまだ営業しておらず、2張のテントがあるだけであった。少し離れたところに我々のテントを張り、まずはビールで乾杯!もっちゃんが担ぎ上げたケーキでひさみさんの??才の誕生日を祝う。カレーのご飯を頂、ゆっくり、まったりと過ごし9時には就寝する。

夜間少し不思議なことがあった。テントの周りを何かが歩き、外からテントを触っている感じがし、テントを中から数度たたいたのだがその気配はなかなか消えなかった。朝その話をするとひさみさんも同じ気配を感じてたということで、風も無かったし、動物なら少しの音ですぐ逃げてくはずであるため、もしかしてお化けだったかもという話になった。

6/12 > キレット小屋~ツルネ~ツルネ東稜~出合小屋~美し森P

本日も天気がいいが次第に崩れていくようである。朝食をとり、撤収をし5時過ぎには出発した。

権現岳方面へ進み30分ほどでツルネへ到着。今回2つ目のバリエーションルートである「ツルネ東稜」を下山に使う。基本尾根通しに行けばいいが、迷いそうな枝尾根が多く、確認しながら進む。今回は天気がよくルートを見渡せたので特に迷うこと無く進めたがガスっていたらわかりづらいと感じた。

途中から権現沢へ降り、まもなく出合小屋へ到着し、休憩。冷たい水を飲む。

後は昨日と同じルートである地獄谷を30分ほど下り、うんざりするような長い長い林道を進み美し森Pへ予定通り小屋から2時間で到着。お疲れ様でした!

<感想>

天狗尾根はあまり人気が無いのか、今回の山行で出会ったのは唯一キレット小屋にテントを張っているパーティーだけであり、天狗尾根、ツルネ東稜とも全く人がいなかった。

天狗尾根は技術的にはそんなに難しくは無かったが、ルートファインディグや、適度に緊張しながら登るクライミング等ありとても楽しめた。

キレット小屋方面から見る天狗尾根全景が見渡せたが、登攀中はカニの鋏と大天狗以外は自分がどこを登っているかよくわからず、今回の経験から次回はもう少しルートを把握しながら行けると思う。

次回は冬期に来てみたいと思う。

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