黒部上ノ廊下 遡行
2016年8月12日~14日
自主山行
メンバー:CLニンニン、SLひらちゃん(記録)、のぐっつぁん
コースタイム
8/12
7:30扇沢→(トロリーバス)→7:50黒部ダム→11:20平ノ小屋12:20→12:30平ノ渡場→14:15奥黒部ヒュッテ15:10→16:35下の黒ビンガ手前
8/13
6:30下の黒ビンガ手前→7:00口元ノタル沢ゴルジュ入口→9:00上の黒ビンガ→10:05金作谷出合→12:45立石→14:30立石奇岩→16:00幕営地
8/14
7:00幕営地7:45 E沢出合→8:15 B沢出合→9:30薬師沢小屋11:00→13:30太郎平小屋→16:30折立
※前冬の降雪量が極めて少なく雪解けが早かったため、例年より水量が少なく、今年は非常に容易に遡行できました。
よって、今回の記録は今後の遡行の参考になりません。
8/12
扇沢から始発のトロリーバス(臨時便)7:30発に乗り、いざ出発。
12時発の平ノ渡し船に乗るには時間に余裕があるので、黒部ダムから体力を温存しながらダム湖沿いを歩く。
平ノ小屋で上ノ廊下の情報を入手し、しばし休憩。
12時の平ノ渡し船は20分送れて出発。
黒部ダム~奥黒部ヒュッテ間の道は昨年より整備が進んでおり、高巻き箇所が減っていて歩きやすいし、時間の短縮にもなっている。
奥黒部ヒュッテで計画書を提出し、沢装備に着替えいざ入渓。
前日は30人近くが上ノ廊下に入渓したとのことで、当日は自分たちを含め10人が上ノ廊下に入渓。
何度か渡渉を繰り返し、下の黒ビンガ手前の右岸側で幕営。
すぐ近くに枝沢があり、きれいな水が入手できた。
夕食はシチューで体を温めた。
8/13
朝日に赤く輝く下の黒ビンガを見ながら出発。
例年は水量が多く突破に時間がかかるそうだが、今年は水量が極めて少ないため簡単に突破できた。
下の黒ビンガの大壁手前は右岸→左岸→右岸と渡渉した。
大壁の目の前は右岸→左岸へ進む。
下の黒ビンガを過ぎてすぐに左岸に幕営可能な場所があるが、枝沢が遠い(幕営適地から100mほど行くと同じ左岸に枝沢があり水を確保できる)。
昨日入渓した2人組がここで幕営しており、出発したばかりの様子で、ここですれ違う。
口元ノタル沢ゴルジュまでは穏やかな景色が広がる。
口元ノタル沢ゴルジュの入り口は、水量が少ないため突破は容易で、右岸をへつり、途中から左岸に泳いで移った。
岩がごろごろした1mの小滝を左岸から中央の岩へ移り突破(白波の中に足を突っ込めば岩に立って進め、水圧で飛ばされることは無かった)、すぐ先の流れの速い箇所は左岸から流れに飛び込み、右岸に移った。
口元ノタル沢ゴルジュを抜ければ巨大な岩がごろごろした河原が広がる。
廊下沢を過ぎると、広河原(黒五跡)に出る。
広河原は穏やかな河原で、休憩にはもってこいの場所だ。
広河原でスゴ沢を左岸に見送れば、次は上の黒ビンガとなる。
上の黒ビンガから金作谷出合手前までは、上の黒ビンガの巨大なゴルジュが広がる。
渡渉を繰り返すが、特に難しいところは無い。
金作谷出合では右岸が台地状になっており、幕営適地である。
金作谷出合~立石まではゴルジュが続き、泳ぎと渡渉で突破する。
立石~立石奇岩間は特にポイントは2箇所。
1箇所は左岸から右岸へ渡渉、もう1箇所は左岸の台地を高巻き。あとは淡々と歩く。
立石奇岩は遠目に見たら周囲の岩肌に溶け込んでいるが、日が出て近寄ると立体感が強調される。
立石奇岩を過ぎ、しばらく進んだところで幕営適地があったので、幕営した。
この幕営地は、50mほど先に進むと、幕営地と同じ右岸のガレた沢から染みだした水がとれる。
夜はカレーと海藻サラダで栄養補給した。
8/14
幕営地からB沢出合(大東新道出合)までは、泳ぐところも無ければ高巻きするところも無く、淡々と進む。
B沢出合~薬師沢小屋間は、大東新道と併走する。
大東新道は河原を歩いたり所々少し高巻いて沢を迂回する。
沢は見所がほとんど無いので、沢筋を歩いたり大東新道を歩いたり、歩きやすいところを進んでいく。
薬師沢小屋で休憩し、掲示板を見て天気予報を確認。
翌日は雨時々曇りの予報。
当初の計画ではこのまま赤木沢に行く予定だったが、翌日雨天予報のため遡行はここで打ち切った。
沢装備を解除し、重たい沢装備をザックに押し込む。
薬師沢小屋から登山道で、太郎平小屋を経由し折立に下りた。
太郎平小屋手前から雲が厚くなり、想定より早く天気が悪くなっていった。
太郎平小屋からは早めのペースで下山したが、下山後すぐに雨が降り出し本降りとなった。
有峰林道から神岡に車を走らせ、神岡のスキー場で入浴と食事を済ませ、名古屋に戻った。
今回は水量が少なく特に核心部も無く淡々と遡行したため、河原歩きが長く感じ、刺激の少ない遡行となった。
次回機会があれば、水量が今より多い時期に再度遡行し、上廊下の本当の醍醐味を味わってみたい。