宝剣サキダル尾根


宝剣サキダル尾根  中央アルプス/長野
2017年2月25日(土)
【春合宿B訓練 実践シュミレーショントレーニング】
自主山行

メンバー:のり(CL)、ひでちょ、まいこ(記)

[タイムスケジュール]
5:00 名古屋発
7:20 菅の台バスターミナル
8:15 菅の台バスターミナル発
9:15 千畳敷駅
9:30 登山開始(サキダル尾根登攀)
12:00 サキダルの頭
14:30 宝剣山頂
15:25 千畳敷駅
15:55 千畳敷駅発
16:45 菅の台バスターミナル

 

春合宿B(明神岳)の訓練として、サキダル尾根からの宝剣岳登頂を目指し出発。天気は快晴で、道中の車から見える空の青さと雪の中央アルプスの美しさにテンションが上がった。駐車場で、前日雪崩があったため充分注意するようにと係員の方にアドバイスをいただいた。気を引き締めて行こう!とメンバーで声を掛け合い、始発のバスに乗り込み千畳敷へ。バスは満車で、ロープや登攀道具を持参のパーティーが多く、サキダル尾根は混むのではないかと予想された。

千畳敷に着き、高度順応のため少し時間をかけて準備した後サキダル尾根登攀開始。登り始めから急な登り坂で、トレースも無く雪面は凍っていて滑りやすい。ここで足を滑らせると自分の技術では途中で止めるのは難しいだろうと思い、慎重に一歩づつ登った。サキダル尾根は先行パーティーが2チームと我々の3チームだった。取りつきまでに1パーティーが後ろに回り、2番目に登ることとなった。

1ピッチ目の核心は、一枚岩の回り込み部で、足を掛けるところがあまりなく岩も滑りやすい。のりさんがリードで登った後、セカンドで登らせてもらったが、ロープで確保してもらっても足がすくんだ。足場の悪い狭い場所のため、ビレイも大変だったと思う。ビレイをしてくれているひでちょの後ろには青い空と宝剣が見え、そんな景色の中で落ち着いてロープをさばく姿は下界の100倍かっこよかった。

2ピッチ目は、12月の時と比べるといやらしい岩稜帯が雪に埋もれ、登りやすくなっていたそう。1ピッチ目と比べると、ピッケル&アイゼンをきちんと効かせれば問題無く登れるルートだったが、最上部の少し手前で足を滑らせた。もっと注意して登ろうと、サキダルの頭から宝剣岳を見上げてもう一度気合を入れ直した。

サキダルの頭~宝剣岳まではロープを3回出すこととなった。1回目はところどころ凍った急峻な雪面のトラバース部で、落ちたら最後の切り立った箇所を通るときは鼓動が早くなった。2回目は急な下りで凍った斜面を、両手にピッケル&バイルでゆっくりと一歩づつ降りた。3回目も急な下りで足場も無かったためロープを出したが、途中からチェーンがあったため、しっかりチェーンを持ってゆっくり降りた。宝剣山頂までの最後の登りでも一箇所、12月では普通に通れたというルートが氷に覆われていた。氷が固くなかなかピッケルやアイゼンが効かない。滑落すると何m落ちるのか想像ができないような切れ立った箇所のため、反対側の岩場から回って先頭のりさんがシュリンゲを出してくれて登ることができた。やっとのことで着いた宝剣山頂から見る景色は最高だった。大自然の静けさの中の、空の青さ、雪の白さ、黒い岩のコントラストは息を飲むような美しさだった。眼下に目をやると、南アルプス山脈が鋸岳~聖岳まで一望できた。

最終ロープウェーの時間が迫っていたため、無人の山頂を少し楽しんだ後、後ろ髪を引かれる思いで下山を始めた。宝剣岳から乗越浄土までの下りのトラバースも気が抜けない。広い広いトラバースはところどころ雪質が変わっていて、しっかりピッケル&アイゼンを効かせるように声を掛けてもらいながら降りた。トラバースの終わりから乗越浄土までは、広い雪原の美しい雪景色の中、宝剣岳に登れた喜びを噛みしめながら雪を踏みしめて歩いた。

乗越浄土からは踏み跡をなぞって下りて行った。前日の雪崩跡を横切る際、その規模の大きさを間近で見ることができた。乗越浄土から千畳敷駅までは気付くと何箇所か亀裂が入っていたため、雪崩はいつ起きてもおかしくないと感じた。斜面がなだらかになった場所で少しシリセードで時間を短縮し、30分前に千畳敷駅へ到着した。

今回は天気に恵まれ風も無く、のりさんとひでちょお二人にリード、ビレイをしていただいたおかげで、計画したコースを歩くことができた。合宿に向けてもっともっとロープワーク、アイゼン&ピッケルワークを練習して、メンバーの役に立つようになりたいと思った。とても勉強になった良い山行だった。

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