八ヶ岳 中山尾根&大同心雲稜ルート


八ヶ岳 中山尾根&大同心雲稜ルート
夏山集中登山Gコース
自主山行
2018年7月14日~7月16日

メンバー:CL:ひでさん SL:のりさん メンバー:ひーちゃん

コースタイム:
7月14日 6:00美濃戸口⇒8:00赤岳鉱泉着・テント設営⇒8:40赤岳鉱泉発⇒9:15中山乗越⇒10:30中山尾根登攀開始⇒13:30日ノ岳⇒14:30地蔵尾根⇒15:30赤岳鉱泉
7月15日 4:00起床⇒5:20赤岳鉱泉発⇒6:20大同心基部⇒11:00大同心の頭⇒12:30大同心基部⇒14:10赤岳鉱泉・撤収⇒14:40赤岳鉱泉発⇒15:40赤岩の頭⇒16:40オーレン小屋
7月16日 8;00オーレン小屋発⇒9:10赤岩の頭⇒10:10赤岳鉱泉⇒12:30美濃戸口

1日目
事前の情報取集では、美濃戸口から赤岳鉱泉までブヨやアブが多いとのことであったため念入りに虫よけを降り掛け出発した。想定より虫も少なく快適に小屋に到着した。しかしテン場はすでにほぼ埋まっており、みんなで探して何とか4テンを張ることができた。

中山乗越からは明日登る大同心がきれいに見えた。頂上に人影が見え、明日はあそこにいるのかと思うと心が躍った。中山尾根取付きまでの踏み跡は薄く時折外したが、尾根を目指して高度を上げると明瞭な踏み跡に合流できる。

1P目から頂上まで、終始ロープを出しては登り、登っては歩く、歩いては登るの繰り返しであった。みんなで交互にリードをしながら登った。岩は全体的にとても脆く危うい。また、岩の上に砂がたくさん乗っていて滑るため砂を払いながら登った。オダマキやチシマギキョウ、トリカブトなど紫の花が咲き誇る中の登攀であった。
日ノ岳からは、爽快な景色に見とれつつ尾根を伝って地蔵尾根へ。ひでさんは夏道が初めてという歩きにくい地蔵尾根を沢山の人を縫って下山した。

2日目
心待ちにしていた大同心雲稜ルートへ。前日とは違い高度障害もなかったのでテンポよく基部まで急登を登った。すでに1パーティーが2P目にいて、取付きに別パーティー、先行してアプローチを登っていた2人パーティーがいるので私たちは4パーティー目であった。後ろからも数パーティー続いている。基部手前のスペースで装備を整える。取付きは狭く4名程度でいっぱいなので前のパーティーがスタートするのを待って移動する。このルートはほぼPETZLまたはMAMMUTのしっかりとした支点がある。前のパーティーが手こずっているのかなかなか進めず、取付くまでに30分待った。この岩壁面は朝日の裏側であるため、徐々に凍えてきた。1手取付いてからもなんだかんだで結局1時間近く待つこととなった。

1P 30m のりさんリード:昨日のこともあり、念のため牛タンのような岩の右にカムを取りスタート。少し上にややかぶりのバンドがある、4ピン5ピン目だ。コンクリートの壁に丸い岩がはめ込んであるような壁面は良く登られているせいか昨日より安定感を感じた。ホールドが豊富なのでかぶりもムーブで気持よく手が出せる。私のような身長だとピンに沿って登るとかぶりの所で大きく右に手を出さなければならず少し怖い。しかし足元がしっかりあり、思い切って手を出すとなんと電話帳くらいのがばホールドがあり余裕でマッチできる。

2P 30m ひでさんリード:前のパーティーが少し登って支点を取り直しスペースを作ってくれた?ので私たちも1段登ったところで2Pをスタートした。左上に向けて登りやや右へ向かう。途中細かい手足もあるが日も当たってきて快適に登る。

3P 30m ひーちゃんリード:グレードは優しいが、それまでと急に状況が変わり草付で浮石も多いため違った緊張があった。慎重に2番のカムを取りスタート。途中0.75、0.5も使い小さなピナクルに向かって右上する。なるほど、ブログで読んだ通りピナクルは上から見ると魚のしっぽであった。ここにはボルトはなくピトンが2本打ってある。

4P下部 20m のりさんリード:スタートはやや凹角、ステミングでなんなくクリア。前がつかえていたこともありここはピッチを切る。

4P上部 15m ひーちゃんリード:右トラバース。えーここどうやっていくの?私小さいからはいはいしてくぐろうか?と思うような感じに胸のあたりの高さで岩が飛び出している。右はスパッと切れ落ちて大同心の下までえぐれて良く見える;;;しかしよく見ると飛び出した岩の手前にも向こうにもPETZL様が光っていたので安心して体を空中側にのけ反らせ岩を抱きかかえて通り過ぎることができた。

5P 25m ひでさんリード:本日の核心、ハングがある。ハングの手前もうすかぶりがあり前のパーティーの方が大変苦労している。ここで30分待ち。日当たりもよく、横岳や小同心もよく見える。振り返れば赤岳や阿弥陀岳がこれでもかとそびえているのでゆったりと待つことができた。3人なら余裕のスペース。
スタートし直上した後のうすかぶり、がばが多いので丁寧に刻めば気づけば越している。そこからやや右へ本日の核心。見るからにハングしている。ひでさんはあっという間に抜けていった。なんとかフリーで抜けたかったが左手が持たない。鐙は持ってきていなかったので、伝家の宝刀「コネクトアジャスト」(レスティングフィフィのような物)登場。一気に体を引き寄せ核心越え、何とか次の一手は右がばで体を持ち上げることができた。しかしそれで終わりだと思っていたので、そこからのカンテの5mが私にはしんどかった。私だけかもしれないがうすかぶりの連続に感じた。のりさんはフリーでやっつけた。最後は気持ちの良いカンテを登り終了!

すぐ上が頂上で景色を楽しみ、お昼を食べる。最高に気持ちよかった。
取付きまで懸垂下降:最終ピッチの支点よりルンゼ側に懸垂。途中から空中懸垂。ロープはまだ余っているが空中懸垂が終わったところで切る。すぐ左に支点がある。そこからは50mいっぱいいっぱい懸垂をする。落石注意だ。2本懸垂が終わるとクライムダウン。少し歩くと朝出発した取付きに到着。

朝登った急登をさっさと下り赤岳鉱泉へ。Fチームさんと出合いお見送り。私たちもそそくさと撤収しオーレン小屋に向かう。実は朝の急登を頑張ったせいか足が重く全然歩けない気持ちだったが、オーレン小屋でみんなで乾杯ができる!その一心で頑張って黙々と登り続けた。途中雷が鳴り、雨も降りはじめたため、超特急で下り小屋についた。大好きな仲間と冷たいビールがお出迎えしてくれて疲れも一気に吹っ飛んだ。
確保していただいていたスペースにテントを張り、楽しい宴は21時過ぎまで続いた。

3日目
のんびり起きて、みんなで写真撮影。各パーティーそれぞれの下山場所へ出発。私たちは、小屋でコーヒーをいただき少しのんびり出発した。
赤岩の頭に出ると昨日登った大同心がドーーーンと見えた。取付きにいる人も良く見える。あそこを登ったんだ…と感慨深い。赤岳鉱泉ではEチームさんにも出会えた。美濃戸口まで林道に入ってからはアブに集られ何か所か刺されながらの下山となった。
ちょうど3年前初めてのテント泊で赤岳に連れてきていただいた。その時に見上げた大同心に立つことができた。ひでさんのりさんはもちろんのこと、今まで登山やクライミングを教えてくださったいろいろな方に感謝せずにはいられないすてきな山行であった。

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