雪上訓練(西穂山荘~西穂高岳独標)


雪上訓練(西穂山荘~西穂高岳独標)
訓練山行

【山行日】2019年1月5日(土)~6日(日)
【メンバー】
Aパーティー:うめ(CL)、ソンベ(SL・PL)、のりっく、こーちゃん
Bパーティー:しょう(PL)、さいとも、アオキーズ、ひさぽん(記)

【コースタイム】
1月5日(土)
6:00名古屋発
8:45ひるがのSA出発
10:30新穂高温泉P着(装備の確認・共同装備振り分け)
11:30ロープウェイ乗車
12:00西穂高駅着・昼食
12:25西穂高駅発
13:50西穂高山荘着
13:55雪上訓練(テント設営含む)
16:15訓練終了

1月6日(日)
・丸山組:ソンベ(L)、のりっく、こーちゃん、アオキーズ、ひさぽん
・独標組:しょう(L)、さいとも、うめ
4:30起床・朝食、出発準備
7:10西穂山荘発
7:30丸山着・丸山組も独標組とともに中腹まで進む
8:00丸山組は折り返し戻りながら訓練・独標組は独標へ
8:45独標
9:20西穂山荘着・西穂山荘で反省会
10:20テント撤収
11:15西穂山荘発
12:15ロープウェイ乗車
12:45新保高温泉P着
13:30~平湯温泉ひらゆの森:温泉・昼食

 12月上旬に行う予定だった初級雪上訓練は、雪不足のため延期となり、1月5~6日で、年末寒波を越して、積雪も十分な西穂で行われました。
出発は、堀田と名古屋駅集合の2台の車に別れ分乗。堀田は同志会の他の山行の集合場所にもなっており、初参加の1名が、違うグループのバスに乗り込み、危うく京都へ行くところだったというハプニングもありましたが、直前に気づき合流、2台とも無事に、ほぼ定刻通り出発。積雪と、スキー渋滞もあり、予定時刻の1時間遅れで新穂高温泉Pに到着。ロープウエイは観光客で込み合っていましたが、事前にコンビニで前売り券をまとめて購入済だったので、発券もスムーズで待ち時間もなく乗車できました。ロープウエイの乗車口には荷物用の測りがあり、ザックの重さは、重い人では25kg以上!私が19kgなのはナイショにしておきました。ロープウエイは臨時便が出るほど込み合っており、人々の熱気による窓の曇りと、雪雲の中で、外の景色は殆ど見えない状態で残念でした。西穂高駅で、高度順応のため昼食を取り、1時間ほど休憩する予定でしたが、到着時刻の遅れのため、軽くパンなどの行動食を取るのみで、急いで出発準備に取り掛かりました。雪山が初めての参加者もいたので、アイゼン装着の方法から歩行のポイントまで、ベテラン勢から丁寧な指導をうけ、A→B続いて西穂山荘に向かい歩行開始。山荘手前までは樹林帯があるので、風も少なく、寒さはそれほど感じませんでしたが、気温は低く、足元はサラサラのパウダースノーでした。大勢が歩いた列の後ろの方だったにも関わらず、なかなか雪は踏み固められず、斜面では足元が崩れ、歩き辛く疲れました。出発時に衣服調整して薄着にしたにも関わらず汗ばんでしまい、雪山での体温調整の難しさも実感しました。急斜面では巻き込み事故防止のため、少し間隔を空けて歩かなければならないことも学びました。私の荷物が一番少なかったにもかかわらず、急斜面では息が上がってしまい、やや遅れがちになりましたが、CL、PLが様子を見ながら歩調を調整してくれており、ついていくことができました。感謝。ゆっくりペースで進んで、適度に休憩をいれ1時間半程で西穂山荘に到着。山荘到着後は、荷物を山荘前に置いて、すぐに6テンと4テンを手分けしてテント設営に取り掛かります。テント場は、一面フカフカの新雪に覆われていて、利用者は、他にソロテントが3~4張りのみで空いていました。破損の危険があるので、テント場付近でのアイゼン使用は禁止の為、山荘前でアイゼンを外してテント場への斜面を降りていきますが、アイゼンなしの新雪の斜面は非常に歩き辛くて、アイゼンの威力を改めて実感しました。テント設営の為、新雪を4~50cmスコップで掘ったり、踏み固めたりして平らに整地するのは、時間がかかり難しい作業でしたが、身体はポカポカに温まりました。テント内への雪の侵入防止と、靴を履きやすくするため、入り口の床を掘り下げて固め20cm程の段差を設けたので、出入りが非常にし易く、大勢の出入りもスムーズにできました。テント内に荷物を入れ、ひと休みした後、15時過ぎからワカンを装着し、新人のみでテント場周辺の新雪を自由に歩く練習や、ラッセルのまねごとをしてみました。その後ピッケルを持ち、全員でテント場奥の急斜面へ移動。トラバースの仕方、ラッセル、滑落停止訓練を実施しました。ラッセル訓練では新雪を切り崩しながらそれぞれが急斜面を登っていきましたが、新雪で雪が軽く、斜度もあったので、思っていたよりラッセルは行いやすかったですが、それでも疲れました。湿雪だともっと・・・と思うと恐ろしいです。滑落停止訓練は新雪で身体が滑らず、数回行った後、翌日に持ち越ししました。16時過ぎに訓練終了しテントへ戻り、夕食の準備に取り掛かかります。
テント内での過ごし方や、注意事項について、先輩の経験談や事故事例などを聞き、学びながらの夕食準備。特に調理中等、火を扱っている間は、細心の注意を払わなければならないことを学びました。
夕食は、のりっくさん特製の絶品鍋!事前に生姜ダレに漬け込まれたお肉や、食べごたえのある仙台麩はとってもジューシーで美味しく、感動しました!生姜の効果で身体の中からポカポカに温まり、ゆっくり眠りにつくことが出来ました。

2日目は、4時半に起床後、朝食をすませ、7時に西穂山荘前に集合。丸山組、独標組一緒に出発!この日は晴天となり、昨日の雲の中とは別世界!美しい日の出や、眼下には雲海も見ることができ、雪山の美しさに、ここまで登れたことに感動!丸山までの稜線は強風で、耐風姿勢の訓練を行うことができました。安全な場所で、ザックが横から風を受けると身体が持っていかれる感覚を経験できたので良かったです。突風のように感じましたが、風速10Mあるかないか位だそう。もっと危険な場所でもっと強い風が吹いたら・・・と思うと恐ろしくなり、真剣に耐風姿勢の練習に取り組みます。気温が低い中の強風で、急激に体温が奪われましたが、目の周りなどの皮膚が出ている部分や、指先など事前に教えて貰っていた凍傷対策で、無事守ることができました。20分程で丸山山頂到着。風も少し弱まった為、丸山組も、独標組と共にもう少し登ってみることになり、更に上を目指して歩くことになりました。30分ほど更に登った所で、独標組は独標を目指して出発!丸山組は、山荘まで下山しながら、滑落停止の指導をうけ、丸山山頂付近の雪の付いていない岩場で、岩場でのアイゼン歩行の訓練を行いました。前爪だけに全荷重をのせ、岩を登るのは不安定で怖く、無言で黙々と歩きました。山頂の標識の周りを、何かの儀式のように、皆でうつむきながら輪になって歩く姿は、知らない人から見たら、異様な光景だったかもしれません。丸山組は、山荘到着後、前日に訓練を行った斜面へ移動。前日に何度か滑り降りて固められた場所を使い、ベテラン先生に続き、新人も続いて滑り降ります。とっさにアイゼンで止めようとしてしまいがちですが、急斜面での転落時はアイゼンが斜面に引っかかると身体が撥ね飛ばされるとのこと!必死に身体を反転させ、肩の位置でピッケルを上半身全体の体重をかけ雪面に差し込み、アイゼンを引っかけないよう膝を曲げる姿勢をとりました。何度か斜面を登っては滑り降り、同じ動作を繰り返して身体へ覚え込ませ、斜面を歩くときは常にその動作がスムーズにとれるように、ピッケルを持ち、イメージして歩くことの必要性を学びました。
独標組と別れて45分後、無線で独標組の登頂の連絡が入りました!風も収まりスムーズに登頂できたとの事!おめでとう!私もいつかそこに立てるように、雪山の経験を積みステップアップしていきたい!
丸山組は訓練を終え、西穂山荘で独標の帰還を待ち、全員揃ったところで、暖かい西穂山荘内の休憩所で反省会をかねたティータイム。一時間程休憩したあと皆でテント撤収!減っているはずの荷物がザックに収まらないのは登山のあるある?!一時間程かけて撤収と荷物の整理をして、一時間後のロープウェイ乗車を目指して晴天の西穂山荘を出発!眼下に見えていた雲海の中へ。丸山山頂から直ぐ眼下にあるように見えた西穂高駅は歩くと随分遠く感じましたが、帰りも雪道のアイゼン歩行のアドバイス、斜面での注意点を勉強しながら下山し、50分程で駅に到着!2日間大きな病気や、けがもなく、全員無事下山終了!目標時刻のロープウエイにも予定通り乗車できました。駐車場で装備を分配した後、車で10分ほどの平湯温泉に移動し、広大な露天風呂のある温泉で温まったあと、昼食をとりながらの反省会・清算し解散しました。
今回の合宿は、冬合宿直前に日程変更となったため参加できない方もおり、8名の参加となり、内、初心者は4名と、ベテラン勢に手厚く指導を受けることができる贅沢な山行となりました。雪山の基本技術を学ぶだけでなく、ベテラン勢との交流で、様々な体験談を聞き、雪山の魅力を体験できた素晴らしい訓練となりました。今回の経験を基に、さらに登山の経験を積み、ステップアップしていきたいと思います。

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