メンバー:CL:GIGI、SL:ニンニン、ひらちゃん、エスパー(記)
■出発 1/10 AM7:00
道の駅で前泊後、仙流荘を抜けて戸台駐車場で駐車して準備する。駐車場にはすでに車が10台くらい。トイレと写真のようなちょっとした小屋がある。
小屋のまえに写真のような登山者むけの看板。
朝日に向かって戸台川を歩く。
■角兵衛沢出合までのアプローチ 1/10 AM7:00~AM9:30
戸台川の川岸にそって角兵衛沢出合へ歩く。
角兵衛沢出合の目印のケルンを発見し、川の向こう岸に移動する。ケルン手前で若者パーティーが休憩していた。あとで分かったことだが信州大学のパーティーだったらしい。
■角兵衛沢出合~大岩下の岩小屋 1/10 AM10:00~PM0:00
角兵衛沢出合のケルンからは、踏み跡のある登山道を進む。角兵衛沢は赤テープがしっかり付いており、幸いにトレースもあり、迷う事はなかった。雪はないが地面が凍結していて、それなりに急な勾配で滑りやすく歩くのが難しい(アイゼンは使用しなかった)。
樹林帯を抜け、大岩下の岩小屋で休憩。風が強くかなり寒い。
これより先は角兵衛沢のコルまで平らな所が少ないため、ここで2パーティーくらいがテントの準備を始めた。
■角兵衛沢のコルへの登り、1日目終了 1/10 PM0:30~PM2:30
ここからは雪の急斜面をキックステップで登っていく。ふくらはぎがしんどい。でもアイゼンとピッケルでガツガツ登っていける感じが気持ちいいし、一気に高度を稼ぐことができるので素晴らしい景色がどんどん広がっていく。運動量が大きいので寒さは感じないが、樹林帯を超えたので体感温度は急に下がっていて、オーバーグローブの上にオーバーミトンも被せているのにピッケルを持つ右手が冷たくなり、時折左手に持ち替える。
角兵衛沢のコルで行動終了の予定だったが、コル周辺はあまりテントスペースがなく、先行パーティにテント場を取られている可能性があったため予定変更。この日はコルまで行かずに、コルから高度で100mほど手前に、岩場の下にテントを1張り張れそうなテラスがあったのでそこで一泊
夕ご飯を腹いっぱい食べ、テント内で手足の凍傷チェックをし、問題ないことを確認した。
■2日目行動開始 角兵衛沢のコルへ 1/11 AM6:00~AM7:30
テントをたたみ出発。出発時はそれほど天気は悪くなかった。
角兵衛沢のコルが見えてくると、傾斜は若干緩んでくる。角兵衛沢のコル周辺には、あまりテントスペースはないと思っていたが、コルの手前までには、斜面に雪が積もることでテラスのようになっている場所がいくつかあった。
コルに到着。ここから鋸、甲斐駒への稜線の始まり。天気は曇天ぎみに変わっていき、強風。ここからは体力の温存と慎重な行動に心掛けた。
■鋸岳へ 第一高点 1/11 AM7:30~AM8:00
雪庇と雪の急斜面に緊張しながら慎重に足を運ぶ。止まると寒いが行動中はそれほど寒さを感じない。ただピッケルを持つ手は冷たい。時々右手から左手に持ち替える。
第一高点。とりあえず一つ目のピークに立つことができ、ホッとして多少緊張感がゆるむ。
■小ギャップ下降 第三高点 1/11 AM8:00~AM10:00
第一高点から雪庇に気をつけつつ進むと、稜線が切り落ち崖になっていて、鎖がフィックスされていて、懸垂下降したり、確保されながら登っている人を見つける。ここが小ギャップだとわかる。
下降時、3本指のオーバーミトンだとロープのセットが難しかったので、オーバーミトンを脱いで、ミトンの下につけていた5本指のオーバーグローブでロープをセットした。多少手間取ったが何とか下降
下降して小ギャップを登り返す。前を行くパーティーはビレイしながら登っていたが、鎖がしっかり付けられていたので我々はビレイなしで登る。この時もミトンだと鎖を握っても滑ってしまいそうだったので外してオーバーグローブで登った。私は冬山の鎖場は初めてだったので、ここが一番苦労した。もっとピッケルを駆使すれば上手く登れたはず。
登ると有名な鹿窓がある。夏はここをくぐっていけるが雪に埋もれているので登って超えるしかない。
登ったところが第三高点(たぶん)。振り返るとピラミタルな第一高点が見える。
■大ギャップ下降 第二高点 1/11 AM10:00~AM11:10
第三高点(たぶん)をスルーして、第二高点に向かう。第二高点へは、大ギャップという稜線がバッサリ切り落ちている箇所(小ギャップより規模が大きい)を懸垂下降し、登り返す。
まず大ギャップの懸垂ポイントへ向かう。支点を選べば1ピッチの懸垂下降で下降できる。途中、下りルートを間違ったりして悪いところを下ってしまったが、懸念していた大ギャップの懸垂ポイントには先行パーティーがいたので難なく見つけることができ、1ピッチで懸垂下降できた。下降時、下降器のセットに手間取り、一瞬だけアンダーグローブで作業した。セット後はすぐにオーバーグローブをはめた。
大ギャップを下降し、ガリーを下って第二高点へ登り返す。ガリーの下りは、アイゼンが雪に隠れた岩に食い込んで引っかかり、難しい。
登り返して、第二高点到着。鋸岳すべてのピークを完食。若干青空が見えていた。
そして甲斐駒ケ岳へ針路をとる。雪山稜線はまだまだ続く。。。
■六合目小屋 2日目終了 1/11 AM11:10~AM15:40
第二高点を降り、エスケープルートである熊ノ沢出合への下降地点のコルの岩かげで一度小休止。鋸岳完食でおなか一杯だったが甲斐駒へ針路をとった。
昼間は若干青空が出ていたが、昼すぎると天候は悪化傾向に。先行パーティーや後続のパーティーは皆、熊ノ沢出合へ下降していった。我々は甲斐駒六合目小屋へ。風がどんどん強くなっていく。
時々、立っていられないくらいの風が吹いてくる。六合目小屋がなかなか見えてこない。日が暮れる前に行動終了したいので、最悪六合目小屋にたどり着けなくても、テントが張れそうな場所が見つかればそこで一泊しようと考えていた。しかし夕方前に六合目小屋にたどり着く。
先客が2パーティーいたが、小屋の土間のスペースが空いていたので、そこを使わせてもらった。2パーティーは長野の山岳会と、角兵衛沢出合のケルンで出会った信州大学山岳部のメンバーだったらしい。
テント内ではアンダーグローブを付けっぱなしで、手足の凍傷チェックを怠っていた。
■3日目行動開始 七合目過ぎ鎖場まで 1/12 AM6:00~AM8:00
雪は積もっていたが、降ってはいなかった。風は昨日より強い。昨日より凍えることが予想されたので、自分は普段行動中には暑くて着ないフリースを中間着に着て、みんなは化繊ダウンを着ていた。ヘッデンをつけて、小屋から甲斐駒へのルートを探す。先日からの疲れと、暗闇と、雪&岩場の登りで、ペースがあがらない。小屋にいた2パーティーが余裕で追い越して行く。
朝日が昇ってきて、ヘッデンの必要はなくなった。しかし風はどんどん強くなり、ペースがあがらない。
七合目過ぎに鎖場がある。先行パーティーがかなり苦戦していた。自分たちも取り付くが、先行パーティーが苦戦していた理由が分かった。風が通り抜ける所で、登っている最中に強風で体が持っていかれそうになる。しかし御在所岳で似たような岩場で訓練してきたし、今回の縦走での色んな経験で多少は対応力がついたのか、危険は感じたが面白かった。岩と雪にアイゼンの前爪を立ててピッケルがしっかり決まると妙に気持ちがいい。
■甲斐駒ケ岳山頂 下山 1/12 AM8:00~PM2:00
難所は越えたものの、ときどき体が浮くくらいの強風が襲ってくる。
しかし、強風のせいか、雲の流れが早くて時折青空が顔を出す。展望が徐々に開いてくる。
そしてついに、甲斐駒ケ岳山頂
マジで吹っ飛ばされるので、長居はできず、下山にかかる。
しかし、この下りが、ものすごく危険だった。下りルートが良く分からず、下れそうなところを探しつつ下るが、アイスバーン&岩&雪&急勾配で、足をどう持っていくべきか分からない。仕方ないから後ろ向きになってクライムダウンのような形で下るしかない。本当に怖くて必死だった。
しかし、振り向くと、もう絶景すぎて言葉が出ない。
仙丈、北岳。富士山まで。
山やってて、本当に良かった。
駒津峰から、
仙水峠へ下る
■北沢峠、戸台川、出発地点へ、1/12 PM2:00~PM6:00
仙水小屋を通過して、駒仙小屋へ。テント場に雪ダルマ
北沢峠に到着。そこから長い長い戸台口への下り。初日に登った角兵衛沢の取り付きを過ぎ、
登ってきた山々を眺めつつ、日が落ちていき、
スタート地点にたどり着いたのは夜だった。
おしまい