谷川岳(1977m)東尾根


谷川岳(1977m) 東尾根
2018年6月30日~7月1日
自主山行

CLぐっさん、SLこっしー、もっちゃん、記録よっちゃん

<アプローチ>
6月29日 19:00名古屋発 1:00土合ロープウェイ駐車場 仮眠

<コース状況>
★6/29
19:00名古屋発
岐阜は大雨で警報がでており、ところにより前が見えないほどの雨の中谷川岳に向かう。
個人的には帽子を忘れ、買っておいたお酒を忘れ、前日から準備して凍らせたハイドレーションは持ったが付属のホースを忘れ、
毎日記録を見るのが楽しみで100%充電しておいたスマートブレスレットを充電したまま忘れ、
行きの移動中のSAで帽子代わりに使おうと思った買ったばかりの冷感タオルを落とし、散々な立ち上がり。
今回は余計なことはせず、安全第一と心に誓いました。

0100 土合口駅着
6時間かけて到着。駐車場には10台くらい前夜泊らしき車が停まっています。
空きスペースにテントを張って軽く1杯のあと、2時就寝。

★6/30
0500 土合口発
準備して出発します。

0600 厳剛新道登山口
朝一は雲が張って視界を心配していましたが、厳剛新道登山口に着く頃には雲が上がって青空が見えてきました。
視界不良の道迷いによる時間をロスは避けたいのでありがたいです。

0700 第一見晴台
第一見晴台には分かりやすい標識がありました。
他の記録では分かりにくいという情報もあったので、標識は最近設置されたのかも。
ここでガチャ類とアイゼンを付け、マチガ沢に降ります。

0740 大滝
シュルンドがあり右側には取り付けませんでした。
一旦アイゼンを外し、中央から進みます。

0750 4段の滝
大滝のすぐ後ろにあり、キレイな水か汲めます。
4段の滝のあとは再度雪渓になるのでアイゼンを付けて進みます。

0820 シンセン沢出会
4段の滝を越えて10分くらい、右手に小さな枯れ沢があります。
ここから入り暫くは快適な登りです。
日差しが強く蒸し暑いので、適当な日陰で休みます。
ここから先は日陰はありません。

0910 二俣
シンセン沢を登っていくと右手にシンセンのコルがはっきりと見える開けた場所に出ます。
ここからは急峻な岩と草のミックスになります。
アイゼンを履きバイルを刺しながら登りますが、土壌が薄くてバイルがなかなか刺さりません。
片手はバイル、片手は短くて頼りない草を掴んで抜けないように祈りながらゆっくりと登ります。
テン泊装備を持っていて重いので、特に前爪のあるアイゼンが有効です。

1030 シンセンのコルへの途中
目指すシンセンのコルははっきり見えているのでまっすぐ向かえばよいのですが、若干左に寄って滑りやすいルートに入ってしまいました。
ぐっさんがロープを出すことになりました。暫くして「あーっ!」という声がしたので反射的に振り向くと、ぐっさんのザックがゴロンゴロンと落下していくのが見えました。
どこも急斜面でロープを出そうとした場所には確保に都合のよい草木もなかったので、とりあえず細い枝でザックを固定したところ力がかかり外れたようです。
人間も滑落するとこうなるんだと肝が冷えました。
幸い200mほど下のテラスになったところでザックは止まり、全員で撤退しようとの意見もありましたが、ぐっさんがザックを取りに降りることになりました。
その間他のメンバーは少しずつ進みます。

1200 シンセンのコル
そんなこんなでシンセンのコルに到着したのは12時、ここからどうするか全員で話し合います。
シンセンのコル想像以上に狭く、テントを張るには狭すぎて水もありません。
下るにしても、懸垂の支点になるようなものは少ないので降りるのも大変。
今日中にオキの耳まで抜けることができるか不安はあったが、暫く考えて進むことにし12:40に出発しました。

1320 第二岩峰
数m左にトラバースしたところから取り付き。登り始めが凹角でその先は相変わらず岩と草のミックス。
第二岩峰上の岩場は右から巻いて藪漕ぎ。超えたところにある平らで見晴らし良い場所で休憩。
その先の東尾根主稜もところどころロープを出して進みます。

1600 観倉台下
夕立が降ってきました。状況から、今日中にオキの耳へ抜けるのは無理と判断しました。
テント適地はほとんどありません。
観倉台の手前でビバークを決定。傾いてはいますが薄い笹薮の上で一応テントが張れます。
周辺には水がないので、ぐっさんとコッシーさんが水を汲みに行くことになりました。

1630 水汲み隊
テン場からは4つ5つ支尾根を越えた先の沢に雪渓があり、その下に滝が流れているのは見えますがかなり遠いです。
その手前の沢に水があることを願い、水汲み隊は出発します。
テン場から見ていると谷を越えるたびに人影が消え、暫くするとまた見えるを繰り返し、どんどん先に進んでいきます。
なかなか戻ってこないので、手前の沢には水が無いようです。ついには見えていた滝まで到達しました。
この頃雲が張ってきて、雷とかなり強い夕立が降ってきたので、暗くなる前に戻れるか心配になりましたが、日暮れ前の19:30に水を一杯汲んで帰還できました。
水汲みのために3時間、おかげで夕食・朝食と行動用の水が十分に確保できました。ぐっさん、コッシーさんありがとうございました。
4人で3テンしかなかったので、僕はツェルトを巻いて外で寝ることにしました。
テント組もテント内で滑り落ちないように寝るのは大変だったようです。

★7/1
0650 出発
翌朝の朝食はテント内は傾いていて態勢が苦しいので、テントを片付けて外で。
ゆっくり準備して出発しました。
出発してすぐに切り立った小尾根を通りますが、両側が谷でかなり怖いです。
その先の岩が崩れやすくなった尾根もかなりの落石をさせながら登ります。前後にパーティーがいなくてよかった。
これを越えるとようやく観倉台。そこから第一岩峰までは快適な稜線歩きです。

0830 第一岩峰
直登もできるようですが、トラバースします。
第一岩峰直下からわずかに下がり右にトラバースしたのち、踏み跡に沿って直上すると第一岩峰の裏の稜線に出ます。
そこからはオキの耳がはっきり見えて、人がこちらを覗いているのがはっきり見えます。
オキの耳直下の岩場までは傾斜は若干緩くなり歩きやすくなります。

1040 オキの耳
オキの耳直下の岩場は直登して、頂上に頭を出したら数十のスマホに囲まれていてびっくり。
盛大な拍手で迎えてもらいました。
その日は谷川岳の開山祭であり時間もお昼前なので人がいっぱいだったようです。

1400 下山
天神平からロープウェイで下山しました。

二俣から上は総じて傾斜が急な草と岩のミックスで草が頼りないので、バイルと前爪のあるアイゼンが役に立ちます。
ロープで確保したい場所も多いですが、確保支点がないところが多くこれぞバリエーションルートという感じがします。
できるだけ軽量化するのも重要だと感じました。

<感想等>

  • ぐっさん 昨年から計画、調査をしていた谷川岳東尾根へ。ルートも不明確、岩にはボルト類は一切無い真のバリエーションルートであった。急斜面の草付きのルーファイ、ザックの滑落、水不足、一か八かの水汲み、狭い斜面でのビバーク等、困難を伴った苦しい山行ではあったがメンバーは協力、フォローし合いしっかり付いてきてくれ無事突破でき印象深い山行になった。メンバーに感謝。
  • こっしー 水のないビバークは初体験。バリエーションは、予定通りに行かないこともあり、やっぱり強い精神力が必要だと思いました。水を求めて3時間、一生忘れない山行です。虫で顔がこれほど腫れるとも思わなかった。2日目は良く見えなかった。
  • よっちゃん バリエーションはルート自体の難しさはもちろんだが、いろいろ計画外のことが起こった際にどう判断することがとても重要だと分かった。初めてビバークを経験できて勉強になった。登りの最後にオキノ耳から顔を出した時、たくさんの登山者のカメラに囲まれていてビビった。
  • もっちゃん 草付なんて大したことないと高をくくっていたのが、急斜面の落ちたらどこまでも落ちて行く長い長い草付に、長時間緊張が続き、今までのバリエーションの中でも一番疲労困憊したと思う。CL判断で、草付対策としてアイゼンとバイルを持参したのは正解だった。テントではお酒もすすまない程くたくただった。

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