御在所岳 3ルンゼ


日時:2015年12月19日
自主山行:御在所岳 3ルンゼ
メンバー:CLのりさん、SLコッシー、ひらちゃん、しょう、あゆ、ひーちゃん
コースタイム:
6:00 鈴鹿スカイライン ゲート前 集合
7:20 ゲート出発
8:20 藤内小屋
9:00 藤内壁分岐 ~ 3ルンゼ
11:45 山頂公園到着 昼食
13:00 裏道下山口
14:10 藤内小屋
15:00 ゲート前 到着

所感:
冬合宿訓練の一環として、当初は御在所後尾根が計画されていた。しかし、メンバーのルート経験・当日の天候(風・雨・雪・気温など)が考慮され前尾根も候補であった。CLが判断し最終的に3ルンゼを登った。岩稜・雪・氷そして水、さまざまなコンディションを体験出来、絶好の歩行・アイゼン訓練となった。
前尾根の混雑も考え、一時間早めた朝6時より少し前から全員揃い装備を整えたものの、時折激しく降り付ける冷たい雨に車で待機。雨雲レーダーや天気図とにらめっこをし、1時間—車の中では、無線のレクチャー。
雨もほぼ止んだため、まずは藤内小屋まで行きそこで再度判断することとなった。こういった状況での歩きに慣れていない私は、ドライレイヤー(下着)・ベースレイヤー(ウールのTシャツ)・中間着(圧縮されたフリースの上着)・ハードシェルを着込んでいた。「もう1枚着た方が良いかしら;;;」と不安に思いひらちゃんに聞くと、中間着は脱ぎなさい。と!え~、薄いシャツ2枚にハードシェルだけぇ?!と、おののく私に、「大丈夫、これでも暑くなるかも」とさらり。(山行が終わり車に着くまで、寒くも無く、暑くもなく・・・勉強になりました。ありがとうございます!)
しょうさん指導でヌンチャクなど、クライミングに必要な装備は外し、確保が出来る程度の装備に変更し軽くなったザックを背負い出発。裏道を進むと少しずつ雪が増えるものの、まだまだ表面に張り付いている程度。降雨もなく風も無いが、見上げると目前には重い雲がしっかりかかっている。慣れない冬靴で湿った岩を歩くのはとてもスリッピーで神経を使った。膝に故障がある私に、前から後ろから声がかかる「膝、大丈夫?」・・・これは山行が終わるまでコンスタントに続いた。おかげで無理をすることも無く、気兼ねすることも無く登山を楽しめた。とてもありがたくうれしいのはもちろんであるが、(私もこんな風にメンバーを気遣えるようにならなきゃ)と強く思った。
程なく小屋に到着。山頂方面は相変わらず雲がかかり寒そうであるが雨は降っていない。CLは迷い無く決断。無線やホカロンも含め、装備を整え藤内壁の分岐まで向かう。何度も通っている道も、雪がつくと一気に変わる。気を引き締めて一歩一歩、歩く。藤内壁分岐でCLより再度、注意点の説明を受けた。熟練者の間に、雪山岩稜の経験が浅いメンバーが入り列を作って沢へと進む。まだ、雪は薄いがところどころ氷も張り付いている、コッシーは訓練の為既にアイゼンをつけている。ガシッ、カシッ、歩行はとても難しそうに見え不安がよぎる。私たちは、CLの合図で装着するためもう少しアイゼンをつけずに歩く。振り向くと、菰野の空は晴れている。どうやら鈴鹿の山々にのみ雲が引っかかり、雨を降らせているようだ。真上のどんよりした雲と、後ろの青空のコントラストが不思議・・・山に来なければ知る事のない景色だ、と少し得した気分になった。少しずつよじ登る岩や、滑りそうで危ないルートが多くなってきた。開けたところで、アイゼンを装着。今日は途中で外れないようにと願い、金具に力を込める。しっかり腰を下ろせる場所で余裕もあったので、オーバーグローブを外さずやってみたが、なんとかストラップを巻きつけるまでスムースに終えることが出来た。立ったままや、急斜面などでも安全にすばやく出来るようにもっと練習が必要だ。
斜度が上がり、「からい」場所も所々出てきた。西穂高の訓練ではピッケルはほぼ杖としてしか使用するチャンスは無かったが、今回はいろんな角度でいろんな状況の使い方を工夫した。しっかりと効いている事を確認しながらピッケルに体を預けて踏み込むことも多かった。「去年、“落ちるー”って落ちたのはこの辺りだね」「滑落事故があったのはここだよ」「ここは滑ったら一気に下まで落ちるから」頭上で飛び交うそんな会話を背筋の凍る思いで聞きながら、アイゼンの前爪の掛かりを確認した。
ひらちゃんが補助ロープを腰にぶら下げ準備してくれていたので、手間に躊躇することも無く2箇所確保をして登った。確保者には半マストの訓練ともなった。オーバーグローブを着けたまま、細めのロープにエイト結びを作りセットするだけでいちいちやりにくい。(慣れなきゃ・・・)何度思ったことか;;; 山頂が近づくと気温が低いせいか『ベルグラ状態』の岩が多くなってきた。慎重に、慎重に足を置くが、かかりは悪く手は効かない!前尾根で『ベルグラ状態』だったら・・・と思うとぞっとした!風が少し吹き付けるなぁと思ったら、山頂公園の柵が見えた。あと少し、気を引き締めて最後まできついのぼりを一歩一歩登る。斜面に出ると一気に強風にさらされた。物凄い風!強く冷たい、思わず身をかがめる。
到着~!安堵と達成感で顔がほころぶが、山頂公園の寒いことときたら3ルンゼに戻りたいくらい!観光客や一般登山客の間を、バラクラバにピッケル・ハーネス装備の一団が歩くとかなり異様;;;
お腹すいた!子供がゆるキャラとはしゃぐスキー場を横切り、カレーうどんの待つレストランへ。うどんとラーメンのカレーには違いがあるんですね。
ほっこりし、英気を養いあゆも体温を回復したこところで、裏道下山開始。アイゼンを外すと、滑る;;;膝にも負荷がかかり苦手なくだりであったが、みなさんのおかげで焦らず膝を無理せず下ることが出来た。下山はあっという間だった。
時間は短かったが、達成感の大きい山行であった。また、勉強にもなり自分の課題もまたたくさん見つかった。そして、大小さまざまなリスクをCLのもとメンバーがひとつずつ手堅くクリアしたおかげの3ルンゼでっあたと思う。年内にもう一度3ルンゼに行くが、その際は、少し見守る側の言動ができるようにとCLに声をかけていただいた。気が引き締まった。

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