冬合宿B 奥穂高岳(涸沢岳西尾根)


冬山合宿B 厳冬期 奥穂高岳(涸沢岳西尾根)
日時:平成27年12月29日(火)~31日(木)

メンバー CLこっし~、SLぐっさん、山師匠、もっちゃん

12/29
3:30名古屋→7:30新穂高温泉管理棟→9:00穂高平小屋→10:30白出沢涸沢岳西尾根取付口→12:00 1800m地点→14:40 2400m地点(幕営地)

12/30
5:30幕営地→6:30 JP→7:10蒲田富士→9:00涸沢岳→9:15穂高岳山荘→10:00奥穂高岳頂上→11:15穂高岳山荘→11:40涸沢岳→13:00蒲田富士→13:30 JP→14:00幕営地

12/31
7:30幕営地→9:30白出沢涸沢岳西尾根取付口→12:00新穂高温泉管理棟

厳冬期の奥穂高。一年前は確か、強風で中止にした。これまでも、蒲田富士までで敗退とか・・・ラッセルに疲れて敗退とか・・・毎年のように敗退ばかりでなかなか手が届かない奥穂高。もう何回目のチャレンジなんだろう・・・。
それが、今年は、ついに!念願かなって!やっと!・・・神様がにっこり微笑んでくれた。しかも最高の天気で。
今年の冬は暖冬で雪がないと嘆いていたものの、年末にはしっかり寒波がやって来て、雪もそこそこに。事前の天気予報では、奥穂高あたりは今年も強風で、やっぱりダメか~と心配していたが、天気予報も日に日に変わり、どうやらアタック日の30日だけは良さそうな気配!無雪期の10月に下見もしたから、神様がチャンスをくれたのかも。風は強そうだけど、天気は良さそうだから、とりあえず行こうということで、年末仕事納めの後、バタバタしながら4人で新穂高温泉へ。

29日早朝3時過ぎに名古屋を出発。7時に新穂高温泉駐車場に到着。すでに結構、車が止まっている。私たちもすぐに準備をして、管理棟で登山届を出して、小雪が舞い散る中、いざ!出発。
右俣林道は、雪があっても足首ぐらいでトレースもばっちり。ゆっくりと白出沢に向かって進む。完成したばかりの白出沢の堰はとってもオシャレ。木製で出来ているのが和むところ。大きな石のステップを慎重に渡ったら、もう西尾根の取付きはすぐそこ。10月に下見をしておいたお蔭で迷うことなし!堰を渡って、だいたい3分ぐらいで赤テープが幾つも付いた西尾根取付口に到着。そこからは、一気に登りが始まるけども、雪が少ないのか、藪だらけ。想像とは違ったけど、今年は暖冬だから仕方がない。背丈ほどある藪をかき分けながら、上へ上へと進む。とにかくこれが歩きにくかった。
12時頃に1800m地点に到着。この辺りから、雪もしっかり積もっていて、笹に足を取られることはなくなった。予定する幕営地まではあと600m。2時間ぐらいだから頑張ろう!と励まし合いながら、上を目指す。
途中、山師匠の足がつるというアクシデントがあったものの、みんなでフォローしあい、ゆっくりと2400mへ。
朝方こそどんより曇り空だったけど、ここにきて晴れ間が見えてきた。明日のアタックは期待できるかも!と思いながら、15時前に幕営地に到着。幕営地ではすでに10張のテントが張ってあり満杯状態。4テンが張れる場所を何とか確保して、すし詰めの中でテントを設営した。テント横に山師匠が作ってくれたトイレ、階段まで作ってあって、素晴らしいものだった。
他のテントの人に話を聞くと、私らも4回目のアタックなんですよ~と、みんながみんな明日を期待している様子。

翌30日、いよいよアタック日。3時起床、5時半出発。周りのパーティーもだいたい同じような時間に出発。テント場からの登りがいきなり急登できつい。まだ体の準備が出来ていないのに、ひたすらきつい傾斜を登るから、息がもたない。今回の山行中、一番の急登と言えるほどハードな登りが1時間。ここはホントにつらかった。
それでも4人で前を向いて、登り切ったところがジャンクションピーク(JP)。赤旗が何本か刺さっている。ここから左折すると蒲田富士だよという目印だ。ジャンクションピークから蒲田富士までも、一筋縄ではいかない。急な岩場がところどころに出てくる。ただし、今回は、下見の時にも見えていたザイルが雪に埋もれずに出ていたからラッキーだった。それも利用しながら、高度を稼ぐと、この辺りからは、空が明るくなってきた。いよいよ日の出だ。
視界は良好で、ピーンと澄み通った空気の中、目の前360度に広がる白銀の山々の上に、青と赤のグラデーョンの空の色が広がって、とても神秘的。写真集やカレンダーを切り取った景色そのものが、まさに目の前にある。音のない静寂な時間の中で、言葉も出ないほど見とれる朝焼けを4人で味合うことが出来た。これこそ冬山の朝だ。
蒲田富士での朝焼けを堪能したところで、蒲田富士組と奥穂高組に分かれる。山師匠ともっちゃんは下山し、私とぐっさんは奥穂高に向かう。
蒲田富士を超えると、長いナイフリッジ。ここを慎重に渡り、F沢のコルまで下りる。コルから涸沢岳までは急斜面の登りだ。この登りも相当にきつい。延々と急斜面が続く。岩と雪のミックスの登りは、時に四つん這いになってピッケルを刺しながらで、帰りの下りが少し心配なほど。ただ救われたのはトレースがあったこと。ここは2人とも無言で必死に登って、9時に涸沢岳に到着。空は突き抜けるような青空で素晴らしい景色。だけど、風が強くて寒い。アウターは首元まで締め上げて、ゴーグルをつけないと耐えられない寒さ。涸沢岳では写真だけを撮って、すぐさま奥穂高へ。小屋までの下りはあっという間の15分。ここからがいよいよ奥穂高岳の登頂だ。
小屋の陰で小休止。ちょっと行動食をお腹に入れて、気持ちを整える。と言っても、小屋の前も相当な風で寒い。上を見上げれば、雲の流れも速い。こんな強風の中で、耐風姿勢を取りながら、初めての雪の奥穂の斜面をホントに往復できるのかな?と自分の技量に心配になったけれど、とにかく天気だけは快晴。今日、行かないと、いつ行くんだ!と気持ちを強く持って、奥穂高に向かうことを決めた。
2つの梯子を上り、四つん這いになって登り、10時に奥穂高頂上へ到着。ついに登頂!念願の奥穂高に到着した!槍ヶ岳もくっきり見える。白いアルプスがどこまでも見える。やったね~!と、ぐっさんとがっちり握手。ここまで来ることが出来た。神様、ありがとう!
風が強い中、祠で記念写真を撮って、下山へ。
もちろん、積雪期の奥穂高の下りは初めての経験だ。最も心配するのが奥穂高の下り。頂上直下の30mと梯子の上30mの下りが核心部分。ここで転ぶわけにはいかない。とにかく、後ろ向き四つん這いになって、ピッケル・アイゼンで降りるしかない。慎重に、慎重に、降りて行く。
頂上直下は何とかクリア。その後、しばらくはトレースに合わせて、ゆっくり下降。その後、再び、梯子に向けての急な斜面に来た。ここは、滑落防止用のネットが設置されているはずだ。ところが、ネットがない。ネットの周りのワイヤーだけが残っていて、中のネットが取り外されている。ここで滑落すれば、小屋まで滑り落ちてしまう。かなりビビりながら、それでも降りるしかないので、再び四つん這いに。右手でピッケル、左手で雪をパンチして、アイゼンを右・左と確認して、ロボットみたいに慎重に下山していく。その間は、無我夢中で手足に集中していた。何とか、無事に梯子まで来て、一息ついた。
11時過ぎに小屋まで下山したところで、改めて、奥穂高登頂の喜びが湧き上がってきた。ぐっさんの頬が凍傷気味に黒ずむほどの風の中、無事に行けて良かった~。
その後は、涸沢岳に登り返した。涸沢岳から見る北穂高岳もデカい。涸沢岳から北穂高岳までの下りも怖いと聞くから、上からちょっと覗いてみたら、垂直に落ちている。どうやって降りるのか、分からないほどの急斜面だったが、そこは無視して、もと来た道から蒲田富士へ。
涸沢岳の下りは、心配していたものの、奥穂高の下りを経験したお蔭で、それほど苦労せずに降りることができた。F沢のコルに着いた頃には、お昼も回り、天気はぽかぽか陽気に。春かと思うほど暖かく、視界良好の中、ナイフリッジへ突入して行った。青空の中、上から見える白いナイフリッジは、本当に長い。こんなに長いナイフリッジを通るのは初めてだった。風の向きのせいなのか、雪の付き方も途中から逆に変わっていて、トレースもそれに応じて変わっている。初めにトレースを付けた人は怖かっただろうな~と思いながら、絶景を眺めつつ、ナイフリッジを通過した。
ナイフリッジを終えたところで、休憩してお昼ご飯。そこからは、幕営地まで順調に下山。天気も崩れず、14時にテント場に到着した。テントでは、先に待っていてくれた山師匠ともっちゃんが、大喜びで出迎えてくれた。温かい飲み物も作ってくれていて、本当に嬉しかった。

31日は7時半に出発。2400mから取付口の1500mまでは900m下山しないといけない。下山もやっぱり長いし、きつい。それでも、黙々と歩いて、12時に新穂高温泉に到着した。
数年越しの厳冬期奥穂高に登頂することが出来た。私は2回目の挑戦で行けたのだから運が良いと思う。いつも天気が悪い奥穂高の頂上も、今回は真っ青の晴天だったから、これも運が良かった。本当に素晴らしい合宿だった。
帰り道、次は中崎尾根だ、西穂西尾根だ、とずうずうしくも、気持ちを高ぶらせながら、大成功で大満足の合宿を終えることができた。

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