海谷三山(駒ケ岳1,487m・鬼ヶ面山1,591m・鋸山1,631m)


海谷三山(駒ケ岳1,487m・鬼ヶ面山1,591m・鋸山1,631m)
自主山行
催行日 2018年10月13日(土)
メンバー  CL youichi、いよちゃん、ゴンちゃん、棟梁、まーちゃん(記)
コースタイム
5:30三峡パーク駐車場→6:05渡渉ポイント→7:02取水口(海谷732高地)→9:07稜線への取り付き口→11:50/12:14稜線海谷高地分岐→13:55鬼ヶ面山→15:48/16:03頚城駒ケ岳→18:43三峡パーク駐車場

登山口がある三峡パークまで、名古屋市内を20時過ぎに出発して約5時間かかった。僅かな仮眠ののち、まだ夜も明けやらぬ海谷渓谷へ分け入っていく。
森の中が明るくなった頃、最初の渡渉点がある。ここが増水している場合は引き返すことになっていたが、今日は大丈夫。道すがら、つばくろあぶき、なめ滝、七まがり坂などを見物しつつ、広々とした河原が広がる海谷732高地の取水口へ到着する。個性的な山容の鉢山を背景に、清流がとうとうと流れる本当に美しい場所。
休憩しながら、稜線への取り付き口までのルートを検討。みんなで藪漕ぎを決意し、いざ突入だ。踏み跡のある場所、途切れる場所を繰り返し通過するも限界は来る。アクアシューズ、靴下、素足、登山靴など各自のスタイルで渡渉し進行を続ける。常にGPSと紙地図で位置確認をし、稜線への取り付き口を見落とさないよう注意深く進むと、ピンクのテープを無事発見、ここからいよいよ稜線へと登っていく。

ところがこの登りが想像を絶する過酷さだった。斜度があり過ぎて、手も足も落ち着かない場所に倒木がある。滑りながら倒木をくぐるので、お尻も肘膝も泥だらけ。ザックについているちょっとしたゴム紐が小枝に引っかかり、更なる苦戦を強いられもした。あと15分程で稜線という辺りで、欅の大木が数本根こそぎ倒れて尾根道を塞いでいるところがあった。横倒しの幹や小枝に跨ったり踏みつけたりしながら頑張って進む。すっかり心折れたが、ようやく稜線付近に出られた時は本当に嬉しかった。

計画では、稜線へ10:30迄に辿りつけなければ鋸山は中止にしなければならない。現在時刻は11:50。あー残念・・と言いつつ、こんなに厳しい山を更に2時間歩かずに済む安堵感は正直あった。
ゆっくり休憩して精気を養い、次は鬼ヶ面山を目指す。この縦走路もまた過酷極まりなかった。ここはピークを踏まず、西側にトラバースする計画だったので、山頂直下をぐるりと回り込むことに。尾根をよじ登らなくてよいのかと少し気楽に感じたのも束の間、そこはさすがの海谷山塊!この辺りのトラバースは激し過ぎた。道筋はしっかりついているが、足元はとても不安定だ。とにかく常に三点支持を意識する。

どうにか巻き終え、次なる目標は頚城駒ケ岳だ。前衛には東峰があるが、その直前の急登も大変な悪路だった。手がかり足がかりを確認しながらの進行にはすっかり慣れたけど、ほぼクライミングの要領で上がる岩場もあり、滑落の危険は常に尽きない。ただ、あまりにも過酷で、私などは感覚が麻痺してしまい、恐怖を通り越して楽しさが勝る始末。急登や急下降を繰り返し、少しずつ駒ケ岳に近づく頃には、このルートの面白さを実感していた。若干緩やかになった場所に達したあと、15:48ようやく山頂に到達する。

この先は一般ルートだ。秋色に染まった林間を、まったり気分で歩き始めた。ものすごい安堵感に包まれていたが、そんな時間は長くは続かなかった。わりとすぐに、急下降道が出てくるわ出てくるわ。あれ?一般登山道だよね、と思うが後の祭り。ここまでにも散々トラロープにお世話になったが、むしろこの下山路こそがトラロープにすがるしかない状況。心身共に疲労が激しいため、定期的に休憩を取りながらもひたすら下る。そのうち日も暮れてしまい、朝同様のヘッ電歩行となった。先頭を行く私は、これまで以上にルート確認に神経を尖らす。こんな場所で道迷いなど絶対に嫌だ。普通に熊に出会えそうな雰囲気におびえながら、急下りをどうにか征し、林道へ降り立つことができた。

そして今回取り残してしまった鋸山だが、ここは必ず近いうちに制覇したい。なぜなら、例えまた恐ろしい思いをしても、ほかの山にはないスリルと興奮に期待してしまう困った自分に気付いてしまったから!

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