2012年12月30日~2013年1月1日 冬合宿 蒲田富士2742m (北アルプス涸沢岳西尾根) 


同志会の皆様、

あけましておめでとうございます。
今年も楽しく、安全山行しつつレベルアップしていきましょう。

さて、年末年始に冬合宿の先発として3名(キャプテン、しんさん、ぐっさん)で涸沢岳西尾根にて蒲田富士をやってきました。
計画は新穂高→西尾根→2400テン場→蒲田富士→涸沢岳→奥穂→2400テン場→新穂 だったのですが。。

2012年12月30日(雨→暴風雪)

しんさんレガシー号にて、途中キャプテンをピックし、3時30分ぐっさん家春日井発。強い雨が降ってます。
平湯トンネル手前の斜面では、路面凍結のため多くの車がスリップ、スタックしガードレールに張り付いてます。
しんさんレガシー号は4WDのため無事通過。

7:30 予定通り新穂高着。なんと雪ではなく結構強い雨が降ってる。今日は2400mのテン場までなので、小降りになるまで駐車場、車内で仮眠。
8:00 やや小降りになったので、準備して出発。ザックは1人20k以上、肩にずっしり重い。翌日以降の天気予報も悪いため、テンションは低い。
蒲田川右俣林道のトレースはしっかりあり、雨で雪が固くなっており歩きやすい。
9:45 穂高平小屋着。昨日西尾根で涸沢岳、奥穂をやったパーティが降りてきたのでいろいろ聞く。
F沢のコルの登りが通常じゃないトラバースになってた以外は大きな危険個所も無く登頂できたとのこと。
その情報に勇気づけられテンションが急激にあがり相変わらずの雨の中出発。
11:15 西尾根取付き着 ゆっくり休憩。高度は1580m、2400mテン場まで800m登らなくてはならない。
ここからが本番、相変わらず冷たい雨。
急登をひたすら頑張る。1800mから上でようやく雪に変わる。視界は50m~100mと悪い。
高度計を見つつ100mあがるごとに休憩し15:00テン場着。
ザックに引っ掛けてたGPSが無くなっていたので、多分2000mの休憩のとこで落したんだと思い私だけ急いで探しに行く。
しかし、どんどん降る雪でトレースも消えておりGPSは見つけることは出来なかった。明日の本番アタックでの不安材料が一つ増えてしまった。
16:00 テント設営完了。装備はすべて濡れているうえに雪(氷)がびっしりついておりテントの中で乾燥をさせるが、テント内に入ってしまった雪が溶けたり濡れた装備から水がしみだしたりしてテントの中は拭いても拭いても水浸し状態で難儀した。外は暴風雪となっておりテントにも雪がどんどん積もっていく。
そんな中でも我々3名は明るく宴会をで盛り上がったのであった。メインディッシュは本日はしんさん特製ナベで大盛り上がり うっまいうっまい!
天気予報を何度も確認するが、明日も大荒れの天気模様。明日以降の行動をとても悩む。せめて蒲田富士までは行きたいが今の状況ではとても出れない。
とりあえずチャンスはあと2日あるんで朝起きての判断にしよう。
21:00 就寝 外気はマイナス15度くらい。雪を溶かして作った水をシュラフに入れ凍らないようにして寝る。雪がテントを吹き付ける音でうるさい。

2012年12月31日(暴風雪)

5:00 一旦起きるがすごい暴風雪でとれも行動は出来そうもないのでまた寝る。風除けの雪壁とテントの間に新たな雪が積もってしまいテントは半分つぶれてる。
7:00 やっと起床し半分になったスペースで餅入りうどんの朝食をとりながらミーティング。どうしようか悩む。完全に涸沢岳は無理。蒲田富士を目指し行けるとこまで行くことに決定。準備開始、外ではファスナー類やザックの肩ひもの等すべてカチンカチンに凍ってしまい調整もできない。アイゼンバンドもカチカチで装着にやたら手間取る。他のパーティーも撤収しだしている
9:30 テントの雪かきをした後、暴風雪の中勇気を奮い立たせ出発。途中まで本日のと思われる薄いトレースがあるが、テン場チョイ上でそのパーティが戻ってきた。胸までのラッセルでとても蒲田富士も無理とのこと。とりあえず先行パーティーが残してくれたトレースを頼りに進むがトレースはすぐ終わってしまう。ここからは同志会がトレースを伸ばせるとこまでガンバローと気合を入れ進む。全員で少し進んでは交代の繰り返し。苦しいが少しずつ進む。
森林限界を越した後、風雪がさらに強まり視界もほとんど効かない中、ジャンクションピークに出る。北穂東稜のような雪嶺のナイフリッジを慎重に進み、そこからは岩場が露出しており赤岳主稜のような感じである。山頂直下のフィックスロープは雪に埋まっているため左側岩稜帯をアイゼンクライミングする。
強風で雪(氷の粒)が顔面を容赦なく直撃しとても痛いし、耐風姿勢を取りながら慎重に進む。
13:00 蒲田富士山頂着。このコンディションで登頂できたのは奇跡的。やったぜ同志会!!
蒲田富士は山頂が広くどこが山頂かわからないがとりあえず握手。
とてもうれしかったが、呼吸ができないほど風が強く雪も激しく、止まってると体温がどんどん奪われていく感じがする。
状況がよければF沢のコルまで行きたかったがホワイトアウト状態でとてもじゃない。
身の危険を感じ、山頂には数十秒滞在しただけですぐ下山開始。森林限界地点まで慎重に必死に高度を下げる。
風雪は強いもののやっと生きた心地がする。メンバー共々無事生還を喜びあう。冗談じゃなくジャンクションピークより上は危険であった。
14:20 ヘトヘトでテン場帰着。ショックなことにテント半分雪にうまっており、つぶれかけてる。とりあえずカチカチに凍ったアイゼンを外しテントを掘り起こす。
順にテントに入りお湯を飲み検討をたたえあう。
当初は奥穂まで行く予定であったが、蒲田富士まででも大満足。本当にみんなよー頑張った!
16:00 夕食、宴会開始 本日はキャプテン特製ビーフシチュー!これがまためちゃうま。
今日は大みそか 酒はあっという間になくなってしまい、紅白を聞きながら雪を溶かしたお湯をみんなで飲んでお酒を飲んだ気分になりがまん。
昨夜よりさらに冷え込んでいるが装備が濡れてないためガスをたけば快適。ガスはあと2本残ってる。
明日も天候回復の見込みがないため起床後撤収を決め22:00就寝。外は相変わらず暴風雪。

2013年1月1日(雪)

6:30 あけましておめでとう。
ゆっくりと起床。気温は低くテント内の装備もみな凍ってる。
しんさん特製のぞうにの餅そばをたべる。
9:00 撤収、テントもバリバリに凍っており、たたんでもすごいカサだが無理やりザックに押しこむ。
テントポールも凍りついており、どんだけ力を込めても外れないので一つ一つ湯をかけはずしていく。
9:45 出発 来たときより1mは積もってる感じ。登りとルートも違う感じであるが雪が多いため急斜面は尻セードでどんどん高度を下げる。
10:45 1580m取り付き着 風はないが雪がしんしんとどんどん降ってる
槍(中崎尾根)下山パーティーと会話する。丸山以降積雪がすごくて進めず撤退してきたとのこと。
13:00 長い林道歩きの後、駐車場無事帰還。本当によかった。多くのパーティが撤収する中、大変だったけどやって本当によかった。
苦労した分得られたものは多い。キャプテン、しんさん、本当にありがとう。次回は奥穂をまた狙おうぜ!!

キャプテン、
いつも冷静にアドバイスをくれた。やばい山行だったけど、キャプテンのフローのおかげで進めることができた。本当にありがとう!

しんさん、
今回の山行が中止になりかけた時、しんさんの「行きたいっす」のコメントがパーティーを蒲田富士まで持ち上げる原動力になった。
また今年もチャレンジする山行をしよう                                                               (ぐっさん)

COMMENTS

    ひでちょ

    蒲田富士、登頂おめでとうございます!!!

    あの悪天候で、よく行ったよね。
    行けなくて悔しかったけど、
    3-4月くらいに奥穂目指してリベンジ山行したいっすね。

      yamaguchi

      ひでさん ありがとう。
      残雪期に再度、西尾根経由で奥穂まで狙おうぜ!
      春は明神東稜もやらねばならんし、忙しいー

    もっちゃん

    雪すごっ!!

    三人ともホント無事で何より~
    お疲れ様でした!
    うす~~~いお酒で迎えたいい年越しになったね(‘∀`)
    さすがM軍団★

      yamaguchi

      本当にご心配おかけしゴメンネ
      大晦日は酒が無くなってしまいテンションだったけど、お湯を熱カンとみたてて、ちびちびやってたら結構酔えたよ。
      もっちゃんも健康のためにやってみてー

ひでちょ へ返信する コメントをキャンセル

CAPTCHA