剱岳 八ツ峰6峰Cフェース 八ツ峰上半


メンバー CLぐっさん ろっくん(元会員)

シルバーウィーク前半3日間で剱、源次郎尾根をやる計画を立てた。
今年のシルバーウィークは5連休なんで、せっかくだからもう一本やろうと言う事で、八ツ峰、Cフェースをやることに。

9/22 朝1:30起床、即効でお湯を沸かしドライフードにかけて食べ、準備をし予定通り2:30出発。
満点の星だが、月明かりは無くとても暗い。
今回の山行で3回目(源次郎下見、源次郎本番、今回)の剱沢雪渓を下りる。

GPSで確認しつつ出発から1時間半ほどで長次郎雪渓に入る。幅は50mはあるだろうか。

休憩もとらず、ヘッデンで足元を照らしながら一歩一歩慎重に登る。雪渓はほぼスプーンが重なった形状をしており、凸凹したとこにアイゼンを効かせながら登るのであるが、所々凹凸が無いつるっとした凍った急斜面があり6本軽アイゼンの我々は非常に緊張した。
何しろ転倒したら数百メートルはそのまま落ちそうな斜面である。緊張でのどがからからにしながら、雪渓をつめて行くと暗闇の中に数メートルのクレバスが出てきて先へ進めない。左の岩陵から高巻して行けそうであるが岩陵と雪渓の間は数メートルのシュルンドがありその下を沢が流れてる。暗闇の中なんとか渡れそうなスノーブリッジの末端を見つけ、1mほどジャンプし岩陵に乗り移る。雪渓は先端が細くなっているため非常に緊張した。
岩陵に移ってからアイゼンをはずし、はじめは右岸、途中から左岸のふみ跡を行き56のコルを過ぎ、6:00 Cフェース取り付き着。

2パーティーが取りついており、2パーティーが待っていた。すぐ準備をし我々の番である。
ろっくんのロープで登ることになったが、50mのロープを持ってくるところを間違えて40mのロープを持ってきてしまったようである。40mで足りるだろうと、1P目ゆるいフェースを山口リード。終了点前数メートルでロープ一杯のコールが下から聞こえるが支点をとれるようなものが無い。少しだけろっくんにあがってもらい、何とか終了点につき、支点構築し確保する。ろっくんがあがってきてから、私が担いできた50mロープに換える。

2P目、垂直に登る凹岩をろっくんリード
3P目、若干草月を山口リード
4P目、長い急なフェースをろっくんリード。ザイルは50m一杯まで伸び、ココがいちばん楽しかった。
5P目、Cフェース名物ナイフリッジ 山口リード  リード中前が渋滞し、垂直なリッジにしがみつ   き30分ほど待つ。その間Dフェースを登攀してるパーティーを見ていた。
6P目、階段状のフェースろっくんリードにて終了
9:00 終了地点で本日初めて水と食料を補給し、雨具を脱ぐ。
雪渓は怖かったが、Cフェースのクライミングは高度感たっぷりで快適で非常に楽しめた。
天気は快晴で風も無くとても気持ちいい。

しばらく休憩し、行動再開、6峰の頭にて、Dフェースをやってきたパーティーと話をする。難しそうに見えるが、Cフェースが普通に登れればDフェースも簡単に登れるとおっしゃっていた。ぜひ来年にでもチャレンジしたいものである。
6峰の頭から懸垂下降にてコルへ降り、7峰への登りにつく。7峰からの下りは通常懸垂下降で降りるところをクライムダウンで降りた。上から見るとやさしそうであったが、実際降りてみると難しく、かえって時間がかかってしまった。
7峰から降りたところからチンネが間近に見えた。時間も早いため取り付きを見に行こうということになり、ふみ跡らしきとこを進むと急なガリーに出てしまう。ガリーをつめるとおそらく北方陵線で、東方向へ行くと十数メートルも登ればコルを越えれそうな箇所もあったため、コル超を決め慎重に進む。コルを越えたとこは長い岩陵の末端であり、おそらくこれがチンネの頭だと2人で話し、取りつきを見ようとガラガラの急斜面の北側のガリーを下降する。
取りつきまでは危険でとてもいけそうに無いが、概略はわかったため今度は登り返す。
落石が激しいので、1人づつ登り、やっとのことで着たところまで戻った。右側の離れた岩陵で確保してる人が出てきたので、北方陵線をやってる人かと思い、声をかけたら、なんとチンネをやっている人で自分たちが見ていたものはクレオパトラニードルとのこと。

時間も遅くなるので、これ以上深入りをせぬようにし、ガリーを慎重に登り北方陵線へ出る。北方陵線の通常ルートでは巻くすごい岩を進んでいたら、はるか下の池の谷ガリーを進む廣さんをろっくんが見つけ大声で会話をする。お互いに検討をたたえあい、我々はまた危険な岩場を進み、なんとか、八つ峰の頭手前のコルにでて、チンネをやってきたパーティーとしばし会話をする。
8峰の頭は離れてみると垂直の登攀をするような感じであるが、ホールドも豊富にあったので、時間短縮のためフリーで進む。
途中、半径1メートルほどに吹きとんだ血しぶきがあった。まだべとべとしており、おそらく一昨日我々が源次郎尾根をやっていたときに県警ヘリが飛んでいたがそのときの事故でないかと思われた。滑落して頭部を打ったのか、すごい血の量であり、事故者のことを考えると、いたたまれなくなるのと同時に急に怖くなり体がスムーズに動かなくなってしまった。
血痕はその後、ぽたぽたと八ツ峰の頭までつづいていた。無事を祈りたい。。

その後、北方陵線の通常ルートを進む。ひたすら天気がよく、眺めもすばらしい。ろっくんが、かなりばてており、ツエルトも持ってきてるので途中ビバークもしたい気分であったが、夜の冷え込みを考えるとシュラフなしでは寝られないね、って話をしがんばって1歩1歩進む。
15:00過ぎにようやく剱本峰着。1昨日の源次郎尾根からの登頂に引き続き今回の山行で2回目である。朝2時半の行動開始から12時間半。後3時間はがんばらなくてはならない。
ここからは一般道、多少暗くなっても何とかなるという安心感はある。ゆっくりゆっくり下山し途中ヘッデンをつけながら18:30テンバ着。ろっくんが途中で倒れそうなくらい消耗していたので、無事つけて本当によかった。
テントで待っててくれたもっちゃんが作っててくれた、チラシ寿司、ワンタンスープ、なすの炒め物がものすごくうまかった。

今回も予想通り本当に色々あり厳しかったけど、後から思うと楽しくすごい山行であった。

来年当たりは熊の岩にベースを作り、Dフェース、クレオパトラニードル、チンネあたりをやりたいと思う。

コメントを残す

CAPTCHA