錫杖岳前衛壁3ルンゼ


錫杖岳前衛壁3ルンゼ
自主山行

日時:2016.03.19(日)~20(月)

メンバー:ハチオ、ゆきむし

3/19(日)
13:30名古屋~17:30中尾温泉口駐車場(C0)~20:00就寝

3/20(月)
03:00中尾温泉口駐車場~06:40錫杖岳出合~08:103ルンゼ取付~
12:30行動停止~12:50下降開始~13:30~3ルンゼ取付~14:00錫杖沢出合~16:00中尾温泉口駐車場

当初の予定では錫杖沢出合の岩小屋をベースとした予定であったが、ルートは3ルンゼのみなので日帰り装備で身軽に前夜泊早朝出発の1dayに変更。それでもロープ・クイックドロー・カム・スクリュー・バイル等を持つと結構な重量になる。03:00分ガスであまり視界が利かないなか錫杖沢出合までの夏道を進む。温泉街には雪がないが温泉からの急登を登りきる頃になると雪が出てくる。しかし雪は適度に締まっておりラッセルに苦労することはない。基本夏道を進むが所々デブリや積雪で道を失いながらも5:40分錫杖沢出合到着、やはりガスは変わらず日の出時刻は過ぎているのに薄暗い。岩小屋にはテントが一張りあった。岩小屋だけは雪が付かず夏と同じ光景だ。ここから前衛壁基部を目指して急登が始まる。
樹林帯なので雪が柔らかく所々足が埋まってしまう場所もあるものの、極端なラッセルはない。残っているトレースを辿りながら進むが途中右に寄りすぎ、取付をかなり廻り込んだ場所に出てしまった。歩きやすいトレースを追ってきた報いか。前衛壁の基部を左にトラバース気味に進み8:10分3ルンゼ出合に到着。ルンゼには雪があるものの全体は露岩で黒々としており、ネットで見た写真と比べるとやはり雪の量は少ない。

1P目:ハチオ
雪に埋まったルンゼを直登、何も問題はない。ロープが40mほど延びた所でF1が出てくる。ここで初めてカムでランニングを取り、右岸から乗り越えにかかる。一段上がったところでゆきむしから「ロープいっぱい」のコールがかかる。実はひとつ前のコールでロープの残り量を聞き違えていたようだ。ランニングをひとつとりこれを手掛かりにしてクライムダウン。F1にもう一つカムをセットして支点を作りビレイ解除。
2P目:ゆきむし
ハチオが残したランニングにまずクリップするが、そこからがなかなかバランスが悪く次の一手をいろいろと探っている。ム―ブを見つけて乗り越え、ゆきむしの姿は見えなくなった。フォローで進むと殆ど露岩でランニングはすべて0.75~3番のカムで取っていた。部分的に凍った草付きも使えたが、浅いジェイドル風で自分はプッシュが結構使えた。F2基部でビレイ。

3P目:ハチオ
F2は夏なら正面から行けるがアイゼンではそうはいかない。左手上部に目をやると残置ハーケンが何枚か目に入る。最初はA0でとゆきむしと相談していたが取り付いてみるとこれは無理と判断、素直にアブミを取りだす。
アブミに一段乗り込み先に目をやると1mにも満たない間隔でハーケンが連打されていた。やはりここは皆アブミで通過しているようだ。取り付く時にアブミをひとつしか持たなかったので、二度回収しながら進む。人口では無駄に腕力を消耗させない為にもレストでのフィフィの使い方がポイントになる。結構な時間がかかったが人口セクションをクリアして右に回り込みF3のチョックストンの下でビレイ解除。アイゼンでのアブミはやはり操作が煩わしい、無駄に時間を掛けない為にももっと慣れる必要があると感じた。

4P目:ゆきむし
まずチョックストン下の右岸側壁をアブミで乗り越にかかる。ビレイ点からは見えないが距離はそんなにはないらしい。ゆきむしの奮闘を下から見ていると上部からバイルが滑り落ちてきた。思わず「天からの授かり物!」と一瞬喜んだがそんな筈もなく、ゆきむしのバイルということで渋々戻すことに。テンションの掛かっていないロープに結び付け、上から引上げて回収。ここを抜けるとアイスセクションが出てくる。スクリューは6本用意して3本ずつ携行していたが、スタート時にゆきむしに渡していなかった為3本では足りなかったらしい。結局先に使ったスクリューをロアーダウンして回収しながら進むハメになったようだ。その為ゆきむしには余分に時間を使わせてしまうことになった。12:30分ゆきむしから「ビレイ解除」のコールがかかる。スクリューは3Pまで必要としなかったこともあるが、ギアの受け渡しはルートの状況を想像しながら行う必要がある。
ガスは相変わらずで視界はずっと利かないまま、気温も下がってきている。ルンゼの中なので風がないのが幸いだ。

計画では行動予定を13:00としていたがこの先の天候の見通しと取り付きまでの懸垂や、下山も取り付き~岩小屋~中尾温泉口までの時間を考えここで行動停止とする。
ゆきむしの話しでは登りにあと1時間~かければ最終コルまで抜けられそうとのこと。時間的には下山時にヘッドランプ使用になるが問題はないと考えたが、天候が気になり温泉も恋しい。
4P目から都合4回の懸垂で取付に到着。日が上がり緩んだ雪に足を取られながら岩小屋までの急斜面を下る。登りでは全く見えなかった景色を見ながら往路を辿り下山、16:00中尾温泉口駐車場に到着。
久々の冬の緊張したクライミングは楽しかった。

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