北ア 湯俣川/樅沢/弥助沢(遡行)~伊藤新道(下降) 沢登り
山域:北アルプス
水系:信濃川水系
弥助沢 → 樅沢 → 湯俣川 → 高瀬川 → 犀川 → 千曲川 / 信濃川 → 日本海
2026年8月8日~12日
自主山行
GPSログ:準備中
メンバー:ニンニン(CL)、りょうへい(SL)、けんさん、ハシオ、ボブ、みゆ(記)
コースタイム:
8/8(天気:曇り)
11:48 高瀬ダム ⇒ 12:55 湯俣温泉登山口 ⇒ 14:28 湯俣山荘 14:39 ⇒ 15:03 晴嵐荘
8/9(天気:晴れ)
6:58 晴嵐荘 ⇒ 7:34 噴湯丘 ⇒ 8:59 ガンダム岩 ⇒ 11:57 ワリモ沢出合 ⇒ 13:53 赤沢出合 ⇒ 15:14 硫黄沢出合 ⇒ 18:00 幕営地(Co1960)
8/10(天気:晴れ)
8:39 幕営地 ⇒ 10:00 モミ沢出合 11:00 ⇒ 12:00 弥助沢出合 13:00 ⇒ 16:14 出渓 ⇒ 16:22 三俣山荘 ⇒ 17:53 幕営地
8/11(天気:晴れ)
5:28 幕営地 ⇒ 7:50 クロマメ小屋 ⇒ 8:17 入渓 湯俣川(伊藤新道分岐) 8:45 ⇒ 9:44 ワリモ沢出合 ⇒ 13:04 ガンダム岩 ⇒ 14:13 噴湯丘 ⇒ 14:50 晴嵐荘
8/12(天気:雨)
7:07 晴嵐荘 ⇒ 8:43 湯俣温泉登山口 ⇒ 9:53 高瀬ダム
※例年より水量が非常に少なく、渇水の状態です。容易に渡渉できました。
実施する年の記録を確認し、ガンダム岩に水が被っているか等確認して水量を見極めてください。
台風や大雨の影響で、決行か中止か、前日までドキドキしながら迎えた今回の遡行。当初の予定を1日切り上げ、4泊5日の行程になりました。8か月前、山岳会に入会したばかりの頃、先輩方から「どこに行きたい?」と聞かれ、いつか行ってみたいと思っていた「伊藤新道」と答えたことが、今回の大冒険の始まりでした。沢登りは、装備を揃えるところから始まり、ロープワーク、沢練習、幕営、歩荷トレーニングなど、一から教えていただき、そして迎えた本番。3日目にはバテてしまい、メンバーの皆さんに助けていただきながら、なんとか進むことができました。沢を詰め上げた時に見たお花畑や4日目に湯俣川へ戻ってきた時に目の前に広がった秘境の美しさには、感無量でした。幸い、最終日以外は雨に降られることもなく、無事に4泊5日の大冒険を終えることができました。まだまだ未熟な私を温かく支え、フォローしてくださったメンバーの皆さんには、感謝の気持ちでいっぱいです。たくさんの学びと忘れられない景色、そして仲間の温かさを感じることができた、最高の遡行になりました。
◆8/8 七倉ダム~高瀬ダム~晴嵐荘
< 七倉ダム~高瀬ダム間>タクシーを利用。運転手さんによると、今年は伊藤新道に入る人が例年より3週間ほど早いらしい。
< 高瀬ダム~晴嵐荘>林道、登山道を歩く。途中、トンネルを3つほど通る。電気はついているものの暗いので、ヘッドライトがあると安心。特に危険な箇所はなかった。湯俣山荘で伊藤新道通過の届を出し、なるべく足跡を残さないように、フィールド保護と渡渉ポイントがわからないように、冒険を楽しむ!と説明を受ける。晴嵐荘手前のジップラインは、ザックを背負ったままだと落ちそうで怖い。ザックを先にニンニンさんに持ってもらい、身軽になって乗車。晴嵐荘は1泊2食付きで16,000円、温泉付き。
そして、なんと!りょうへいさんがスイカを丸ごと一個、歩荷して持って来てくれた!(^^)! すごい!みんなで美味しくいただく。夕食は18時から。煮込みハンバーグは、今まで食べた山小屋ごはんの中でも上位に入る美味しさ!夕食後は、ボブさんが持って来てくれたUNOで大盛り上がりした。
◆8/9 湯俣川遡行(ワリモ沢出合~赤沢出合~硫黄沢出合)~幕営地(Co1960)
< 晴嵐荘~ワリモ沢出合>朝食を済ませ、いよいよ出発。冒険が始まる!早速、膝上近くまである渡渉からスタートする。けんさん、ハシオさんが横についてくれたおかげで、安心して渡ることができた。水俣川の水は冷たいが、湯俣川は温泉が流れ込んでいるため、少しぬるめ。岩の上に建つ神社に驚きながら、何度か渡渉を繰り返して進んでいく。硫黄成分の影響で、次第に川の色が黒みを帯びてくる。所々から温泉が湧き出しており、独特の景観が広がっていた。ほどなくして、今回ぜひ見てみたかった景色の一つ、噴湯丘に到着。玉ねぎのような形をしたその姿は、想像以上にインパクトがあり圧巻だった。壮大な景色を眺めながらゴーロ帯を進む。球状石灰石や役目を終えた噴湯丘などの天然記念物を観察しながら、渡渉と岩場歩きを繰り返していく。渡渉ではスクラムを組んでもらったり、へつりでは手を伸ばしてもらったりと、何度もサポートしてもらいながら進み、ガンダム岩へ。岩にはロープやホチキスが設置されている。水位が高い場合や濡れたくない場合は岩の上を通ることもできるが、今回は股下くらいの水位だったため、そのまま水の中を通過。その後の登攀はロープとフォローで突破した。以前の記録を見ると、当時はロープもホチキスもなかったようなので、2023年の伊藤新道整備によって、かなり通過しやすくなっているようだ。その後も、へつり箇所にはホチキスやロープが設置されているが、破損している箇所もあり利用には注意が必要。岩に残る吊り橋の跡を確認しながら、渡渉とゴーロ帯歩きを繰り返し、ワリモ沢出合へ到着する。
< ワリモ沢出合~赤沢出合~硫黄沢出合~幕営地>岩を登攀したり、高巻きしたり、渡渉したり。不安を感じる箇所では、けんさん、ハシオさんにフォローしてもらいながら慎重に進んでいく。硫黄沢出合に近づくにつれて、小さな滝の横を登る場面も増えてくる。岩は滑りやすくなり、高巻きでは草に足を取られて転んでしまう場面もあった。そんな緊張感のある道を越え、ようやく幕営地に到着。夕食はマッシュポテトグラタンとオニオンスープ。疲れた身体に染み渡る美味しさで、まさに絶品!焚き火は薪として使える木は少なく、火を起こすのにもひと苦労。それでも、冒険の一日を振り返りながら囲む焚き火は格別だった。
◆8/10 モミ沢出合~弥助沢~三俣山荘~伊藤新道~幕営地
起床後、釣りに挑戦!当たりがあった様に思ったが、岩に引っかかっただけだった…ニンニンさんが釣ってくれたイワナをオリーブオイルとホリニシで頂く。絶品!片付けをして出発。昨日よりも、流れも水位も不安なく、ゆるやかな源流遡行を楽しんでいると、モミ沢出合に近づくにつれて、魚影をいくつか確認。お昼ご飯にとみんなで釣り大会が始まった。釣果ばっちり!今回はごま油と醤油で調理。これまた絶品!山賊の末裔に感謝しながら味わった。藪の中で遠くに黒く動く物が見えた。こちらには気づかず通り過ぎていたが、熊だったのかはわからなかった。樅沢に入ると段差が多くなっていき、弥助沢からは標高を上げていく。このあたりから、急に足が進まなくなった。数歩歩いては立ち止まり、息が上がる。完全にバテてしまった。そんな私を見かねて、ニンニンさんとりょうへいさん、けんさんが荷物を持ってくれた。小さなおにぎりを水で流し込み、ボブさんからもらったポーションでエネルギーを補給。みんなのサポートに助けられながら、なんとか前へ進んでいく。徐々に川幅が狭くなり、水量も減っていく。沢はやがて急登へと変わり、ひたすら標高を稼いでいく。そして、稜線が見え始めた源頭部のカールでお花畑が広がった。チングルマ、ミヤマキンバイ、ヨツバシオガマ、コバイケイソウ……。色とりどりの花々が、迎えてくれた。頑張ったご褒美をもらったような気分だった。最後は、伊藤新道へと上り詰めるザレ場の激急登。足元に気をつけながら足をすすめる。合流後は三俣山荘へ。たくさんの登山者が思い思いに寛いでいる中、沢装備に身を包んだ6人組はかなり目立っていたようで(笑)、何組かの方からどこから来たのか聞かれみんな驚いていた。明日分の水の補給や休憩をして伊藤新道を下っていき、幕営場所に到着した。StarlinkでLINEができるようで、幕営地から留守宅に連絡して翌日の晴嵐荘の予約をとっていた。電波が入らないなかでもLINEができることが便利に感じた
◆8/11 幕営地~クロマメ小屋~湯俣川~晴嵐荘
伊藤新道の登山区間は道幅が狭いため、足元に注意しながら進んでいく。危険箇所にはロープが設置されており、崩れかけている場所もあったが、慎重に進めば問題なく通過することができた。昨日の反省もあり、この日はペースを乱さず歩くこと、そしてシャリバテをしないことを心がけた。途中の展望ポイントでは、槍ヶ岳や硫黄尾根、燕岳を望むことができた。険しい道の途中で見る山々の景色は、疲れを忘れさせてくれる。2025年7月に建設されたクロマメ小屋は、作業保全小屋はであるとともに、増水時などの緊急避難小屋として利用できる。中はとても綺麗で、土足禁止。周囲にはブルーベリーがたくさん実っていた。クロマメ小屋から下っていくと、ほどなく湯俣川が見えてきた。ここからは、2日目に歩いた道を戻っていく。水量は膝から膝上ほど。右岸、左岸の河原歩きと渡渉を繰り返して進む。流れが速かったり、股下以上の水位になったりする場所では、2日目と同じように、けんさん、ハシオさんにスクラムを組んでもらいながら通過する。不思議な模様になった石を眺めながら、長い年月をかけて自然が作り出した造形に驚かされた。河原歩きでは岩が大きく、登攀が難しい場所もある。そんなところではフローティングロープを出してもらい、サポートを受けながら慎重に進んでいく。昼頃になると、太陽に照らされた岩は驚くほど熱く、指先が出ているグローブでは火傷しそうなくらいの温度になる。沢歩きでは濡れることばかり気にしていたが、晴天時の岩の熱さも侮れない。グローブは指先まで覆われているものがおすすめ。ガンダム岩では、ロープを使って下へ降りる。さらに進むと、水位は腰上ほどになる場所もあり、温泉が湧き出ているところもある。次第に水や石が黒色を帯びてきて、湯俣川ならではの独特な景観が広がっていく。噴湯丘を過ぎた頃から、台風通過の予報もあり、少しずつ風が強くなってきた。天候が崩れる前に、晴嵐荘へ到着。夕食は外で自炊。メニューは麻婆春雨とみそ汁。ご飯もバーナーで上手に炊くことができた。調理後は、調理器具の汚れを落とす作業。最小限の紙で効率よく汚れを拭き取る方法など、これまでやったことのないことばかり。みんなに教えてもらいながら、一つひとつ経験していく。山に来ると、歩くことだけでなく、こうした生活そのものが学びになる。夕食後は、恒例のUNO!(^^)笑いながらカードを囲み、来年の夏の遡行計画の話で盛り上がった。
◆8/12 晴嵐荘~高瀬ダム
明け方、強い雨音が聞こえていた。レインウェアを着込み、晴嵐荘を出発する。昨日とは打って変わって、湯俣川は濁り、流れも速くなっていた。濡れた木道も滑りやすいため、足元に気を配りながら慎重に進む。時折、雨が強く打ち付けてくることもあったが、高瀬ダムに到着する頃には雨も止んでいた。4泊5日の大冒険が終わり、達成感やたくさんの思い出と、数え切れないほどの経験を得ることができた。

