2014年8月2日(土)~4日(月) 夏合宿A 前穂高岳北尾根登攀(8峰から1峰)


メンバー CL,渉外ふくちゃん SL,訓練ぐっさん 装備,記録,車こっしー 食糧ひらちゃん 食糧,会計もっちゃん

夏合宿の先発として、バリエーションルートの前穂北尾根をやってきました。
北尾根は「高所での登攀力」、「ボッカ縦走力」、「ルートファインディング力」「ビバーク力」等総合的な技術が必要であり、そのために春からの土日はほぼすべて訓練にあて、前尾根(全員5回以上)や八ヶ岳(小同心クラック、中山尾根)、中央アルプス全山縦走等過酷でつらいメニューをメンバーみんなでこなしてきた。全員が北尾根をやるために十分な力量をつけ、いざ本番である。

予定ルートは 上高地~パノラマ新道~屏風のコル~北尾根8峰~途中ビバーク~前穂山頂~つり尾根~奥穂山頂~穂高岳山荘(泊)~奥穂山頂~ジャンダルム~西穂~上高地下山である。

北尾根は通常涸沢から5・6のコルに上がり、5峰から山頂(1峰)までをやるのが普通である。
しかし北尾根の末端は屏風のコルであり、今回の合宿は8峰から入り全てをやる予定である。

装備担当から少しでも軽量化を図るため直前まで調整の連絡が入る。テントもマットやグランドシートは無しとした。出発前日の天気予報は曇り、と晴れマーク。

8/2(土)
2:00名古屋発 車中北尾根を紹介してるのDVD見ながら進行し4:15平湯着 5:00タクシーにて上高地入り。上高地で準備中に熱田のS嬢に会う。霞沢に入るそうだ。河童橋から奥穂やジャンダルムもよく見える。
5:30出発 徳沢から新村橋を渡りパノラマ新道方面へ行こうとすると「通行止め」のロープが道にかかっていたが、またいで進む。奥又白との分岐の沢で水をたっぷり汲む。天気がよくかんかん照りですごく暑い。パノラマ新道へは途中ルンゼから右に入るところを見逃し、数百メートル雪渓をつめてしまい、約1時間ロスしてしまった。12:30屏風のコル着。30分ほど昼食タイム。暑さ、ボッカ、寝不足で全員バテ気味であるが今からが本番である。青空の中槍や穂高もよく見える。

最低のコルの取り付きポイントを見つけ、藪に突入である。薄いふみ跡はあるが途中から見失ってしまい、ハイマツ地獄の中を突き進む。藪、暑さ、虫の三重苦の修行のようである。特に虫(ブヨ)は1人1人に黒い塊となって後をつけてくる。虫除けもほとんど効かず刺され放題となった。
苦しい藪地帯を抜け14:30に広いなだらかなテントも数張張れそうな8峰到着。8・7のコルまで下り次は7峰である。その先にはでーんと高い6,4,3,2,1峰が見える。
8峰ほどの激藪は無くバテながらも15:30ごろ7峰着。山頂は狭いが4テン一張りほどのスペースがある。本日は56のコルでビバーク予定のため、先を急ぐ。
67のコルまで下降したが、急峻な岩の左右に踏み跡があり、どちらから行っても絶壁に出てしまい進めない。何度もルートを見直し結局正面の岩をクライミングすることになった。先頭が偵察をしロープを出しながらであればいけることが確認できたが時間が16:40となってしまい、また雨も降ってきたため6峰を超えるのを断念し7峰山頂まで引き返し山頂でビバークをする。コルからロープ1ピッチ懸垂下降し雪渓から雪を取ってくる。
テントの中に入れば後は快適で水を15L(一人3L)作り、担ぎ上げたお酒を飲みながらカレーの夕食を頂く。雪渓の雪を溶かした水は薄黒く濁っていたがお構いなく飲んだ。

8/3(日)
4:30起床 疲れがたまっており少し寝過ごした。天気はまずまず。富士山も見える。急いでラーメンの朝食をとり、撤収しハーネス類をセットし5:30 7峰山頂出発。昨日の危険箇所をロープを出して全員通過し、6峰登攀。高度が上がり、藪は無くなり虫もいなくなり快適な登攀ができる。数箇所クライミングをしながら7:30に6峰に到着し5・6のコルへ下る。ここからは多くの人が入るためルートも明確である。時間が遅かったせいもあり、かなり前に1パーティーいるだけあり渋滞も無い。
緩やかな岩稜を上りきり8:50 5峰到着。メンバーの一人が体調不調となり、全員で装備を分担する。続いて事故が最も多い4峰である。快適な岩登りが続き1時間ほどで4峰着。すんなり登れてほっとする。だんだんガスが濃くなってく中、34のコルまで降りいよいよ核心3峰である。ぐっさん もっちゃん コッシー パーティー と ふくちゃん ひらちゃんパーティーに分け準備。みんな緊張しているようだが前尾根を何度もやってきてるから大丈夫と言い聞かせぐっさんパーティーからスタート。1ピッチ目途中から結構強い雨が降ってきた。全員15k~20kのテント泊装備を背負い雨のクライミングは難易度が上がり危険であったが進むしか無い。ガスも濃く先が見えないなか必死で登り数箇所の核心をやり過ごし13:30全員無事に前穂山頂着。全員で握手をし完登をたたえあう。雨で体がかなり冷えたバテバテの体に鞭をうち、長いつり尾根を進み17:00ガスの中の奥穂山頂着。17:40穂高岳山荘着。ビールで乾杯後小屋泊組とテント泊組に分かれる。小屋は日本人より外国人の方が明らかに多く日曜にもかかわらず満員であった。明日はジャンダルムを越えて西穂経由で上高地に下山予定であるが天気予報がよくない。朝3時にCLのが進むか下山するか決めることにし就寝。

8/4(月)
3:00 強い雨が降っておりCLが中止の決定をしたため、5時まで寝て6時出発。小屋に泊まってた人が一斉に下山をしだしたためザイテングラードが渋滞し進んでいかない。横尾まで止まったり進んだりの繰り返しで11:30に平日にもかかわらず人でごった返してる横尾着。雨はやんだが山の上のほうは真っ白な雲がかかっている。後は上高地まで10数キロがんばって歩き、平湯の森にて汗を流し帰名。

——————–
悪天候の中、北尾根を8峰から全て通しでやると言う困難な山行をやり遂げメンバー達成感一杯である。
ぐっさんを除き全員初めての北尾根であるが、つらい訓練をこなし、しっかり調査、計画を立てたからこそ完遂でき、メンバーの成長をとてもうれしく頼もしく感じる。
次回は冬合宿に向け気持ちを切り替え訓練開始である。
より高みを目指してやっていきましょう。

コメントを残す

CAPTCHA