奥穂高岳南稜


奥穂高岳南陵
2015年9月5日~6日
CL:ぐっさん
 SL:こっしー もっちゃん ろっくん  

 550上高地~815岳沢小屋~925南稜取り付き~1030右ルンゼ分岐~1230モノリス岩~1300トリコニーⅠ峰~1600南稜の頭

昨夏、前穂北尾根をやったときに目にした“南稜の頭”。そのとき初めて知ったバリの超クラシックルート奥穂南稜に挑んできた。

会としては20年程前の春合宿でふたり登って以来の第2登目ということで、自ずと気合も入り、みんな事前のルート調査にも余念がなかった。

前夜平湯でテント泊して、翌朝ゲートが開くのを待って上高地に入る。

天気予報以上の雲ひとつない快晴で、岳沢小屋から岳沢をつめて行き、雪渓下部に着くと、ルンゼ上部にトリコニーが青い空にくっきり浮かび上がっていた。

取り付きまでの雪渓歩きは30分程だが、スプーン状になっているとはいえ斜度もまあまああるので、軽アイゼン装着で登る。雪渓上部のシュルンドは大きく、最上部よりも左少し手前でアイゼンを外し、柱状節理の岩の左側ガレ場から取り付いた。

取り付きから中央ルンゼ下部、3m程の“下の滝”と呼ばれるところは、紅一点の私のみ確保してもらったが、その上8m程のチムニー状の”上の滝“は全員フリーで抜け、どんどん急になっていく草つきのガレ場のルンゼを150m程登る。

取り付きから1時間くらいで分岐に出た。今回は右ルンゼを行くと打ち合わせてあったので、迷わず右ルンゼに進む。ふみ跡がわりと明瞭なのでそのままふみ跡を辿って這松漕ぎをして進むと12時半“モノリス岩”に着いた。

モノリスを左に右側を巻いていくとすぐトリコニーⅠ峰に取り付けた。Ⅱ峰までは離れているように見えていたが、10m程のナイフリッジを過ぎれば着く。逆に近いように見えていたⅢ峰へは、ガレ場を少しルートとは反対に行かなければならなかった。

Ⅲ峰からは岩場を左にまいて、ナイフリッジを通過すれば後は懸垂下降だけだとそろそろ終了間近モードに入っていたのだが、途中から恐ろしく急斜面の草つきの右斜面をトラバースしてしまった。途中踏み跡を見失ったと思われるが、戻ることもできず、登り返すことができるところを見つけてやっとの思いで私のみ確保してもらって主稜線に戻ったところで懸垂下降地点の手前に出た。

懸垂下降は4~5m程で、支点もしっかりしている。ここを過ぎたら後はゆるいガレ場登り30分程で南稜の頭に到着した。16:00少し前だった。

暗くなって、テントの外は少しガスっていて風もでてきている。

明日は、西穂まで縦走して新穂に下山する予定だ。天気予報はとても微妙だが、午後からは間違いなく雨予報なので、雨の中決行するか天狗のコルまで行って岳沢小屋に下りるか、最終決断は明日朝まで持ち越しになる。

二日目3:30に起床し予定通り5:00出発で準備をはじめるが、ガスで視界がまったく無く6:00までテントでねばったが、西穂への縦走は断念してそのまま重太郎新道を下山した。

今回の目標は「奥穂南稜登攀」と「奥穂~西穂縦走」のふたつだったが、残念なことに西穂までの縦走はできなかったものの、奥穂南稜という標高差1000mの厳しい岩場の登攀ができたことは何よりも自信に繋がった。昨夏“南稜の頭”を見なければこんなすばらしい登攀をすることもなかったかと思うと、なかなか感慨深いものがある。

何度も苦楽を共にしてきたぐっさんとこっしーに加え、今回は二年前の北鎌以来のろっくんも遠く転勤先から参加してくれた。

来年はコブ尾根だ~~!と気合入りまくって奥穂南稜の締めくくりとなった。

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