明神岳(2,931m) 東陵~主稜


明神岳(2,931m) 東陵~主稜
2018年4月21~22日
自主山行
CL・食当:のり、SL・会計:やんやん(記)

<アプローチ>
4月20日 西野車にて名古屋出発、平湯バスターミナルに0:00頃着、ここで車中仮眠
アカンダナ駐車場は4:00以降の開放(開放時期季節変動有り)(一日 普通車600円)

4月21日 晴れ
アカンダナ駐車場6:20 → 7:00上高地7:09 →7:16河童橋7:18→7:24小梨平7:24→8:08明神館8:08→8:13明神橋8:14→9:40宮川のコル10:00→7:24小梨平7:24→8:08明神館8:08→8:13明神橋8:14→9:40宮川のコル10:00→11:47ひょうたん池11:48→12:40第一階段→16:18東稜の頭16:18→16:20ラクダのコル

4月22日 晴れ
ラクダのコル5:45→5:55バットレス取付き→9:28明神岳9:50→11:37II峰11:50→12:20Ⅲ峰(トラバース)12:20→12:34 Ⅳ峰12:34→12:54Ⅴ峰との鞍部13:05→13:48前明神沢小滝(名前はない)→14:47⑦番標識15:00→15:04南西尾根分岐15:04→15:37岳沢湿原15:38→15:54河童橋15:55→16:01上高地バスターミナル

*日帰り入浴 穂高クラブ(駐車場から車で2分)

快晴の中、身支度整え、上高地バスターミナルを出発。
こんなに天気がいいのに、人がいない上高地は初めて。
人混みが無いので、河童橋で悠々と記念撮影。何度も通るこの場所から、明神岳が、いつものように佇んでいる。今回はあそこに行くんだと感慨深く眺める。
明神館を過ぎ明神橋を渡る。丁度朝日で床面に映る欄干の影が目を引く。橋を渡り右岸沿いを右へ。

信州大研究所養魚施設脇の木橋を渡りササブッシュに分け入り、樹林帯を歩くと程なく涸れた沢の右岸上部を辿る急登、暑くてノリさん上着をぬぐ。途中左岸に移りしばらくして雪が出てくる。かろうじてトレースは有り、アイゼン無しで進む。宮川のコル手前で視界が開け、雪無くなりガラガラの急登で、フリクションを取る為踵が伸び切り、こんな序盤でバテてしまった。私は腰を痛めて病み上がりなのにノリさんはどんどん進み差が開きぎみになりそう。正直荷物の重さ、暑さもあるが、こんなんでバテるとは。ここで京都から来たという3人組に追いついかれた。長七の頭や第1階段が見え、いよいよ岩稜に取り付ける期待感に、疲れも抜けた。目印の白い枯れ木辺りは雪渓が無い。ここまでは赤布や赤ペンキが所々あるが、全体的に分かりづらい。上宮川谷に入って少し下をトラバース気味に進み、谷の雪渓に入る手前でアイゼンを着けた。正規ルートは枯れ木からもう少し上に上がって樹林帯に入って雪渓をトラバースして長七の頭との鞍部に向かうのだが、我々は少し下から谷筋に入った。既に雪は緩んでて、アイゼンの効きはいまひとつ。雪渓をジグザグと詰めていく。第1階段下部に雪面の切れ目があり、早く通過することに。鞍部コル手前で1本、とにかく暑くて喉が乾く。雪をペットボトルに追加し、味は薄まっても冷たさに生き返る。ここからは雪に埋まったヒョウタン池の窪みが確認できた。

ひょうたん池はそのまま休まず進み、第1階段取り付き。草付きの急登。

第一階段は雪が被っていて取付きは楽だが、雪が緩んで心もとない。ザイルを出し、ノリさんリードで1P目。残置青ザイル有り。草付き、ハイマツと岩、雪ミックスを、枝を掴み、バイルを雪面・土に突き刺し、岩に掛けてほぼ垂壁を登る。ここが個人的には一番きつかった。2Pは先行組がルート選択に手間取り、40分以上待ち。右に巻いてから左手上に上がる。次は雪の斜面、雪がグサグサで、一刺し一刺しバイルの効きをシッカリ確認しながら、前爪突き刺して体を持ち上げる。ピッチの始点も体を安定していられる場所が無いところも多く、常に緊張を強いられるが、右手には茶臼の頭、そしてがそそり立つ。前穂に癒され、霞んでいるが富士山も見え、八ヶ岳、南アルプス、中アルプス、御嶽山と展望はいい。先行パーティーとは一部異なるルート取りをしたが、ルートが分かり難くルートファインディングをしながら進んだ。それでも行けるところをノリさんのリードで、いくつか小ピークを過ぎて東稜の頭を越すと二張りのテントが見えて、今日の幕営地、ラクダのコル到着。

ラクダのコルからは本峰、バットレスはすぐ目の前。前穂をこの角度から見るのは初めて。東稜の頭を振り返ると綺麗なカーブ、右下に上宮川谷、明神小屋、左下に徳沢ロッジが見えた。テン場の両側はスパッと切れ落ちて、寄り付き滑ろうものなら数百メートル落ちるだろう。

ラクダのコルでは4テン二張りの間で幕営した。
夕陽に照らされる前穂が綺麗だった気がするが、そんな余裕も無く、何とか暗くなる前に張り終え、食事に取り掛かることができた。周りの雪で水を作って、夕食に取り掛かる、ノリさんお手製のバタマヨウインナスパ&豚汁でお腹を満たしたら、後は寝るだけ。明神本峰に光る月に天候を祈りながら、19時過ぎには就寝体勢に。

朝4時起床、気温も余り下がらず、それなりにぐっすり寝ることが出来た。朝食支度中に御来光を拝み、今日の好天に感謝、富士山もくっきり、前穂にモルゲンロートを見ながら、テント撤収に掛かる。撤収に手間取り、そんな間に隣の1パーティは出発、もう1パーティと同時出発となったが、我々が先行させてもらうことに。コルから正面に有る岩壁は左から巻き雪面をトラバースして岩に取付く。ノリさんリードで、1P上がるとバットレス基部。バットレスは難無く通過、ノリさん追越し雪面を少し上がり、ピッチを切る。2P雪斜面をザイル無しでも行けそうだったが、ノリさんリードで。3Pも雪壁、ノリさんが先に登坂(スタンディングアックスビレイで確保)、4Pは雪の壁+岩、最後山頂へは右側からザイルで上がったが、別のパーティが左からザイル無しで普通に登って来ていた。雪のせいかルート分かりにくい。とにかく明神岳登頂!長くきつかっただけに、感極まって声が出てしまった。360°の大展望、西穂、奥穂、前穂の頂が見える。これから辿るⅡ峰が眼下に屹立して、その先にⅢ、Ⅳ峰が見える。しばらく休憩し、指を立てたようなピークのⅡ峰を目指す。鞍部まで下り、正面左手の岩から雪壁を少し上がり、草付きを乗っ越して、斜面の岩に支点を取り、ここからザイルで登る。明神から先行したパーティはこの間もザイル使っていたが我々は不要と判断し省略。雪の斜面をトラバースして、フィックスロープがある岩の左側から垂直に体を持ち上げると、ルンゼ状の登り、ガバ、足場も有り、登り易い。支点は7ヶ所くらいあった。上がり切るとⅡ峰ピーク。上高地がミニチュアのように見えた。ここでザイルを収納し、Ⅲ峰へ。急な岩場、ガレを下り、ピークは西側を巻いて行くのだが、この雪渓のトラバースも滑ったらかなり落ちるので慎重に通過、そしてとにかく長かった。Ⅳ峰へも気を抜けない下りと稜線歩き。ここはピークを通ります。雪が無くなり、この先は雪あってもツボ足で歩けそうとアイゼン外す。Ⅴ峰との鞍部に向かう途中、ルート不明瞭な中、落石に注意しながら進む。鞍部に着くと、先行のパーティはⅤ峰は諦めて、ここから岳沢を目指すという。我々も時間的な判断から、同様のルートで下山することにした。するとノリさんが雷鳥を発見、Ⅴ峰から延びる尾根上に立っていて丁度空との境に見えるナイスな立ち位置。久しぶりに雷鳥とご対面し、Ⅴ峰を残して下山することに少しだけ残念な気持ちでいたのも少し和らいだ。下りを前明神沢とした為、さっき外したばかりのアイゼンを装着、はじめはガラガラの急降下からハイマツ帯、雪渓、ガラ場と歩きにくい。崩れる岩と一緒に下る感じ。やがて雪渓となり、シリセードをしながら下る。

ただ、調子に乗っていると2300m付近に滝が有るので注意。落差は5mも無いがルート上で段差が二段続く。先行パーティに続き懸垂で下った。その後も延々と腐りかけの雪渓下りが続く。いくつかの谷と合流する度、デブリ横目に、雪崩を気にしながらだが、とにかく暑い。岳沢見えているのになかなか合流しない。藪漕ぎになり、踏み抜き地獄を過ぎてやっと合流、岳沢小屋までの7号標識に出た。下り始めて1時間45分、見慣れた道、一般登山者に安堵。アイゼン外し、宿題となった南西稜分岐を確認し、ところどころ氷ってる道に気をつけながら上高地に到着。バリエーションルートでの積雪期アルパインとして、濃厚でシビれる二日間、反省点も、習得したことも多々あり、山頂に一切標識なんて無いけど、景色と経験が焼き付けられた達成感のある山行でした。

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