北八ヶ岳 稲子岳 南壁左カンテ


北八ヶ岳稲子岳南壁左カンテ
2016年7月2日
自主山行

メンバー:ひでちょ、まいちゃん、さいとも、ひーちゃん

コースタイム
6:00 稲子湯登山口 出発
7:30 しらびそ小屋
9:00 稲子岳南壁左カンテ取り付き
12:30 稲子岳山頂 昼食
13:15 稲子岳山頂 下山開始
14:30 しらびそ小屋
15:45 稲子湯登山口到着

東海環状線より諏訪へ、いつもの美濃戸口とは八ヶ岳を挟んで反対側へ向かう。夜中のメルヘン街道は、サファリパークさながら…前を走るひでちょの車はたびたび止まり、立派な鹿や白と黒のまだらの動物たちをやり過ごしていた。映画『岳』のロケ地となった稲子湯に着くと味のある建物がある、トイレをお借りし10台ほど停められる登山口の駐車場に移動し数時間仮眠した。

「取り付まで」と、「稲子湯に間に合うかどうか」が今回の核心?!稲子岳南壁左カンテは取り付きまでの正確な情報がほとんどなく、地図読みをしながらのアプローチとなる予定。さくっと準備を済ませ早々に歩き始める。ザ八ヶ岳という感じの気持ちのいい道を進みしらびそ小屋へ。どっかりした山容の天狗岳の上に厚く雲がかかる、その姿が干上がりぎみのみどり池に映っている。しらびそ小屋はこだわりのある手入れの行き届いたかわいい小屋。窓の外ではリスが朝食のひまわりの種に夢中になっていて、近づいて写真を撮っても逃げるそぶりはない。

池を左に回りこむと、今日目指す稲子岳の壁がどーんと見えた。雲はかかっておらずとりあえずほっとした。中山峠の分岐までは登山道に沿って歩き、そこから分岐の真ん中を藪漕ぎして壁に向かうか、登山道を壁直下まで進みトラバースするか。地図とアプリのGPSと景色を見比べながら登山道を進む。もう少し先へと我慢しつつ歩くも30分ほどで我慢しきれず林の中に見つけた赤テープをたどり右に折れた。テープが続いておりずんずん進むが、どうやら分岐から外れて向かってきた道を逆走していると気がついた。回れ右をして進む。急登の藪漕ぎでは壁に近づいているのかどうなのか不安であったが、ガレた沢に出ると景色が開け一面の壁が先に見えた。御在所の本谷の岩を危うくしたような急斜面、岩の一つひとつ確認しながら登る。やっとの思いで壁の下に着くが左カンテからはずいぶん右に出てしまった。あざみに刺さりながら今度は左へトラバースし、目印の『赤いハーケン』を見つけた!!!本日の一つ目の核心クリア!と疲れも吹き飛び喜んだ。取り付きの白樺に二本の黒いテープが巻いてある。


相変わらず天狗岳には厚く雲がかかり、冷たい強風が吹きつけてくる。ダウンとウインドブレーカーを着てハーネスをつけた。ひでちょはクライミングシューズを裸足ではいて冷たそう;;;
まずはひでちょが念願の赤いハーケンにヌンチャクをクリップ。
1ピッチ目 : III+とブログでみた。1ピン目は赤いハーケン、細いクラックに沿って登ると2ピン目は古いハーケンが左にある。切り立った岩の間を抜け少し歩きまた少し登ると残置スリングのある終点がある。確保のスペースは十分にある。
ひでちょのフォローで登ったが危うい岩に気を付ければ手がかり足がかりもしっかりあり、楽しいルートだった。

2ピッチ目 : リードしたが、風が強いのなんのって、とうとう天狗岳のガスがこっちにむかってうなってきた。
スタートは大きなゴロゴロした岩が重なっている。右上に古いハーケンが幾つかありとりあえず1番確実そうなハーケンを選びクリップ。ゴロゴロを数個登り今度は左の垂壁を登る。
登りきった後の岩は手をかけると、動くめくれる。一つひとつ注意して足を置きすすむ。
大きな岩の右側は崩れ、左側を見るが次のピンを見つけられず不安になっているとひでちょが「ピッチきろうか!」と声をかけてくれた。尖った2つの岩でセルフを取りビレイを始めると、1ピッチ目を終えるまいちゃんが見えた。途中で切ってしまったがこの先はチムニーがあるはずだ。基本上と左に進む。
ひでちょが続きをリードしてくれた。セルフをとった岩を左に巻くのが正解。遠くにチムニーを登るひでちょが見える。登りきると終点のテラスがある。
途中大きな岩がゴトッと動き怖かったが、少し高度感があるチムニーからみえた景色は素晴らしかった。
チムニーを登ってひと休憩。今度はさいともがリードで登ってくる。さらに風が吹き付けるので、また一枚レインを着込んだ。フードは風で持っていかれるため、上にヘルメットをかぶった。さいともが到着したのでまいちゃんは待たずに次へ。
続いて3ピッチ目かと思いスタカットで確保したが、確保不要なトラバースであった。
スタカットは解除しロープを担いで左に回り込みトラバースした後、3ピッチ目の始点を探しながら大きめの岩をコンテで登る・・・と、ひでちょが「やばい・・・」、え?「頂上着いちゃった;;;」「えっっ!!」
ということで、登頂成功は味合わず先端の大きな岩へ。迷うことなくぴかぴかのボルトに懸垂下降の準備をし、さいともたちに下で待つ様声をかけ、正しい3ピッチ目のスタートへ降りた。

懸垂してよかった!3ピッチ目はとても楽しかった。
3ピッチ目 : 順番を変え、まいちゃんがまずリードした。見上げて見える範囲だけでもハーケンが4つほど見えた。
前半は手が借り足がかりのいい垂壁。後半はややかぶり気味で、手がかりも細かい。
まいちゃんのフォローをひでちょが登り、次に私がリードさせてもらった。山頂直下のかぶり気味の岩は数手ボルダリングぽくムーブしてみた。
振り返ると遠くまで深い森が続いていた。
本日のクライミングはこれで終了。

岩の頂上、がっちりと固定されたピカピカのボルトから支点を回収し砂のザレザレを少し登る。コマクサの群生地で囲ってある。季節がぴったり、あちらこちらで咲き誇っていた。
登山道から少し外れ、のんびりお昼を摂りすっかり晴れて広がる稜線をひと息眺め一般道を下山した。途中、登山道から本当の取り付きへのトラバースするルートを探しながら歩いていたが…結局正解はわからずじまいだった。
2つ目の核心、稲子湯へは余裕で間に合った。建物も受付のお母さんも昭和初期の味わい満載。熱々の硫黄温泉を冷たい炭酸泉で冷ましながら素晴らしいお風呂を堪能した。
また来ても取り付きまでは悩みそうですが、また来たい楽しいクライミングでした。

【補足】
2018年3月17日~18日に稲子岳南壁左方カンテに行った際に確認した情報(CLひらちゃん、SLひーちゃん)

アプローチ
登山道から中央フェイスより右側に直登すると、長いガレ場が続き、かなりの時間ロスをする。
登山道から林を抜けてダイレクトに左方カンテへ直登すると、最短ルートだが、残雪期の緩んでいる雪面では足がズボズボはまり直登がきつい。
登山道で標高を上げ、標高2200m付近の傾斜がゆるい斜面を狙ってトラバースすると、雪が緩んでいる斜面では直登よりは楽。

ルート
稲子岳南壁は崩落がひどく、まともに登れるのは左カンテのみ。
左カンテは主要な箇所にボルト、ハーケンが打ってあるので、カムの出番はほとんど無い。
あえてカムを使用する場合は、#4~#0.4程度で1セットあるとよい。
※左カンテの左側のフェイスは1ピッチ登れる(1mのぶら下がっているスリングが目印)
クラシックルートの中央フェイス等、南壁は全体的に崩落が多く、最近登っている人もおらず危険とのこと。

左カンテのピッチ解説(2016年の記録とはピッチが異なります)

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