稲子岳南壁左カンテ、小同心クラック


稲子岳(2,380m)南壁左カンテ・硫黄岳(2,760m)・小同心クラック・横岳(2,830m)

自主山行
2019年9月28日(土)~29日(日)

メンバー:ひーちゃん(CL)、いわやん(SL・記録)

コースタイム
9月28日
5:10 唐沢鉱泉→7:25 中山峠→9:00 稲子岳南壁左カンテ取り付き→11:30 登攀終了
13:15 中山峠→14:50 東天狗岳→15:20 根石岳→16:05 夏沢峠 山びこ荘(泊)
9月29日
3:50 山びこ荘→4:55 硫黄岳→5:10 硫黄岳山荘→6:00 大同心山頂分岐→6:30 大同心頂上(懸垂2回で基部へ)
7:20 大同心基部→7:50 小同心クラック取り付き→10:30 横岳→11:30 硫黄岳山荘(大休憩)→12:40 硫黄岳
13:00 赤岩の頭→13:30 オーレン小屋(時間調整の小休憩)→15:15 桜平駐車場→16:00 唐沢鉱泉

もともと稲子岳南壁左カンテと裏妙義山を予定していたのだが、
9月初旬に日帰りで南八ヶ岳縦走した際に見た小同心クラック登攀の様子に心惹かれ、
裏妙義から小同心に変更して計画を進めた。
事前準備として豊橋立岩での8の字周回マルチピッチ練習、7.1㎜ダブルロープの導入による軽量化など。
台風の影響で天気予報は微妙だったが、登攀予定時間に雨は降らなそうなので決行した。

9月28日
唐沢鉱泉駐車場(無料)にてポップアップテントで仮眠を取ったのだが、マットを忘れてしまった・・・
他の車の音もうるさくほとんど寝れなかった。
5時過ぎ出発。寝不足で体が重いが、頑張って中山峠分岐まで黙々と歩く。
中山峠から標高160m程急坂を下ると、緑のロープが張られた稲子岳への分岐が見えてくる。[中山峠まで・ミドリ池まで40分]が目印。

取付きへの道は目印も踏み跡もあるのだが、行きは途中で道を反れてしまう。
予めスマホに保存しておいた軌跡を頼りにどうにかこうにか正規ルートに戻る。
稲子岳の岩端手前で右折し、踏み跡を辿って取付きまで横歩きすると、
左カンテ取付きの目印テープと赤いハーケンを発見、本日最大の核心をクリアした。

1P目/35m いわやんリード
赤いハーケンにヌンチャクをかけてお約束の記念撮影。
ルートにはハーケンが多いが、使用する前には持ってきたハンマーで必ず強度を確認するようにした。
浅い凹状を15mくらい左上気味に進むと右壁にアンカー支点があり、短く切ることもできるが、その先のペツルを終了点とした。

2P目/30m ひーちゃんリード
右の凹角を登って、カンテのトップに出る。トップから5mほどの階段状はザレザレの砂地に浮石が多いので落石に注意。

3P目/35m いわやんリード
右のチムニーを突っ張って登る。左上してチムニーを抜け、階段状の岩場を登りきったところにあるぺツルのハンガーボルトを終了点とした。

4P目/40m ひーちゃんリード
草つきの斜面を上がる。以前はあったハーケンが一つもなかったので、ハーケンを打ち中間支点を取った。

5P目/20m いわやんリード
クラックが2本入った10m程の高さの大岩を登る。向かって右側のクラックを使って登っていく。この大岩の上がルート終了点。

ひーちゃんが上がってきて、「お疲れ~」のグータッチをして無事登攀終了できたことを喜び合った。
がすぐに明日の小同心に向けて気持ちを切り替えた。
寝不足からなのかそこからはとにかくきつかった・・中山峠への登り返し、東天狗岳への登り。
雨混じりの風が吹き付ける稜線を黙々と歩くが、16:05夏沢峠でタイムアウト、山びこ荘泊。
山びこ荘は基本予約客しか泊まれないので要注意。

9月29日
3時起床、3:50に出発。5mほど風が吹き付ける中、硫黄岳を目指した。
1時間で山頂到着、体調はバッチリ。やはり睡眠は大切だと再認識した。
ほどなく大同心到着。装備を身に着けて頂上より懸垂下降2ピッチで基部へと降り立つ。
1ピッチ目、2ピッチ目とも支点はハンガーボルトに残置スリング、残置カラビナ。
そして大同心基部からトラバースして小同心クラック取り付き点に向かった。
取り付きに他のパーティーはおらず、小同心クラック貸切だった。

1P目/40m いわやんリード
岩がゴツゴツしたフェースを左上、チムニーに入ると傾斜が増してくるが、ホールド、スタンスとも豊富で快適に登れた。
ピンはほとんどなく、岩角にスリングをかけてランニングビレイを取った。
チムニーをしばらく登るとぺツルを見つけるが、まだ40mも上がってないよというひーちゃんの声で更に上へ。
ピナクルのあるテラスでピッチを切った。

2P目/35m ひーちゃんリード
トポを見ると「チムニーから」と書かれているので、右に出るのではと思ったが、
ひーちゃんはテラス左上の岩を登って直上した。
ごつごつした岩壁を直上していくがいやらしい草つきが出てきて段々厳しくなってくる。
その後のチムニーの出っ張った岩を乗っ越すところが自分にとっての核心だった。

3P目/15m いわやんリード
テラスから草付きを少し下がって岩に取り付くが、
簡単な登リで、すぐに小同心の頭に出た。
頭のすぐ手前にがぺツルあるが、低い場所なので使わず肩がらみした。

4P目/15m コンテで歩き
小同心の頭からはロープは結んだまま、コンテで歩いた。

5P目/20m いわやんリード
山頂直下の登りは階段状でフリーでどこでも登れると思うが、
部分的に急なところもあったため、カムを使用。
終了点はピナクルで取った。

あー終わっちゃったー、楽しい時間はすぐ過ぎる。
無事に登攀終了出来て良かった・・と安心したら急激にお腹が空いてきたので、硫黄岳山荘で大休憩、昼ごはんを食べた。
計画では天狗岳経由唐沢鉱泉だったが、天気も怪しくなってきたし、タクシーなら3000円位らしく時間も節約できるので、桜平に下りてタクシーで唐沢鉱泉に戻ることにした。
お腹を満たしたら、赤岩の頭よりオーレン小屋方面へ飛ぶように下った。
桜平に16時でタクシーをお願いしてたので、オーレン小屋のケーキとココアで時間調整。
それでも15時過ぎには桜平に着いてしまったのだが、幸運なことに15時半にタクシーが来てくれたので早めに唐沢鉱泉に戻ることが出来本当に嬉しかった。
2日間で21.2kmとか、よく歩いた・・・

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